古本屋の殴り書き

書評と雑文

文庫本

武術の達人/『武術の新・人間学 温故知新の身体論』甲野善紀

・『雷電本紀』飯嶋和一 ・『日本の弓術』オイゲン・ヘリゲル ・『鉄人を創る肥田式強健術』高木一行 ・『肥田式強健術2 中心力を究める!』高木一行 ・『表の体育裏の体育 日本の近代化と古の伝承の間(はざま)に生まれた身体観・鍛錬法』甲野善紀 ・『武…

カーゴカルト=積荷崇拝/『「偶然」の統計学』デイヴィッド・J・ハンド

・『動物感覚 アニマル・マインドを読み解く』テンプル・グランディン、キャサリン・ジョンソン ・カーゴカルト=積荷崇拝・『人間この信じやすきもの 迷信・誤信はどうして生まれるか』トーマス・ギロビッチ ・『脳はいかにして〈神〉を見るか 宗教体験のブ…

ディストピア小説の元祖/『われら』ザミャーチン

・『木曜の男』G・K・チェスタトン ・新世界秩序とグローバリゼーションは単一国を目指す ・ディストピア小説の元祖・『すばらしい新世界』オルダス・ハクスリー:黒原敏行訳 ・『一九八四年』ジョージ・オーウェル:高橋和久訳 ・『国難の正体 世界最終戦争…

学問と戦争/『子産』宮城谷昌光

・『晏子』宮城谷昌光 ・日本国民は一命をなげうって戦うか? ・疾病の意味 ・学問と戦争・『湖底の城 呉越春秋』宮城谷昌光 戦場での駆け引きは、学問によってわかることではない。【『子産』宮城谷昌光〈みやぎたに・まさみつ〉(講談社、2000年/講談社文…

疾病の意味/『子産』宮城谷昌光

・『晏子』宮城谷昌光 ・日本国民は一命をなげうって戦うか? ・疾病の意味 ・学問と戦争・『湖底の城 呉越春秋』宮城谷昌光 やまいには疾(しつ)と病(びょう)の字があてられるが、疾は軽度のやまいをあらわし、病はいわゆる重症のことである。病む、とい…

日本国民は一命をなげうって戦うか?/『子産』宮城谷昌光

・『晏子』宮城谷昌光 ・日本国民は一命をなげうって戦うか? ・疾病の意味 ・学問と戦争・『湖底の城 呉越春秋』宮城谷昌光 「徳によって恵みをほどこし、刑によって邪を正し、詳によって神に仕え、義によって利を建て、礼によって時に順(したが)い、信に…

原子のの99.99パーセントは空間/『本当にあった嘘のような話 「偶然の一致」のミステリーを探る』マーティン・プリマー、ブライアン・キング

・ユングは偶然の一致を「時間の創造行為」と呼んだ ・宇宙人に誘拐されたアメリカ人は400万人もいる ・株式有料情報の手口 ・偶然の一致は壮大な宇宙の調和の現われ ・原子のの99.99パーセントは空間・『宇宙は何でできているのか 素粒子物理学で解く宇宙の…

エリートの勘違い/『清明 隠蔽捜査8』今野敏

・『隠蔽捜査』今野敏 ・『果断 隠蔽捜査2』今野敏 ・『疑心 隠蔽捜査3』今野敏 ・『初陣 隠蔽捜査3.5』今野敏 ・『転迷 隠蔽捜査4』今野敏 ・『宰領 隠蔽捜査5』今野敏 ・『自覚 隠蔽捜査5.5』今野敏 ・『去就 隠蔽捜査6』今野敏 ・『棲月 隠蔽捜査7』今野…

日本を貶める目的で書かれた左翼文学/『神聖喜劇』大西巨人

大前田軍曹(※内務班長・陸軍)が何かのおりふし自発的に物語った(と私が主〈おも〉に人づてに聞き知った)戦場での体験談には、たとえば次ぎの三つがあった。【『神聖喜劇』大西巨人〈おおにし・きょじん〉(カッパ・ノベルス、1968年/光文社、1978年/文…

物語を禁止された国/『アメリカン・ブッダ』柴田勝家

・物語を禁止された国・『華氏451度』レイ・ブラッドベリ ・『アラブ、祈りとしての文学』岡真理・ミステリ&SF ジョン・ヌスレは自分の職業に誇りを持っていた。 空港で働く検疫官だった。感染症を国内に持ち込ませないという、崇高な使命を持った仕事であ…

三度目の正直で一気読み/『ストーンサークルの殺人』M・W・クレイヴン

・三度目の正直で一気読み・『ブラックサマーの殺人』M・W・クレイヴン ・『キュレーターの殺人』M・W・クレイヴン ・『夜中に犬に起こった奇妙な事件』マーク・ハッドン ・『くらやみの速さはどれくらい』エリザベス・ムーン・ミステリ&SF 彼女のような人…

無味乾燥な正論/『戦中派の死生観』吉田満

・『現人神の創作者たち』山本七平 ・「戦後日本に欠落したもの」 ・戦前戦後の歴史的断絶 ・無味乾燥な正論・『戦艦大和ノ最期』吉田満・日本の近代史を学ぶ われわれ日本人は、戦争と敗戦の経験を通して、本当に目覚めたのか。日本が孤立化の道を突き進ん…

戦前戦後の歴史的断絶/『戦中派の死生観』吉田満

・『現人神の創作者たち』山本七平 ・「戦後日本に欠落したもの」 ・戦前戦後の歴史的断絶 ・無味乾燥な正論・『戦艦大和ノ最期』吉田満・日本の近代史を学ぶ ポツダム宣言受諾によって長い戦争が終り、廃墟と困窮のなかで戦後生活の第一歩を踏み出そうとし…

「戦後日本に欠落したもの」/『戦中派の死生観』吉田満

・『現人神の創作者たち』山本七平 ・「戦後日本に欠落したもの」 ・戦前戦後の歴史的断絶 ・無味乾燥な正論・『戦艦大和ノ最期』吉田満・日本の近代史を学ぶ 太平洋戦争が終って33年目を迎えている。この間に日本の社会は、いくつかの屈折点を経てきた。民…

偶然の一致は壮大な宇宙の調和の現われ/『本当にあった嘘のような話 「偶然の一致」のミステリーを探る』マーティン・プリマー、ブライアン・キング

・ユングは偶然の一致を「時間の創造行為」と呼んだ ・宇宙人に誘拐されたアメリカ人は400万人もいる ・株式有料情報の手口 ・偶然の一致は壮大な宇宙の調和の現われ ・原子のの99.99パーセントは空間・『偶然とは何か 北欧神話で読む現代数学理論全6章』イ…

近代日本を呪縛する水戸学/『現人神の創作者たち』山本七平

・『日本教の社会学』小室直樹、山本七平 ・近代日本を呪縛する水戸学・『戦中派の死生観』吉田満 ・『日本国民に告ぐ 誇りなき国家は滅亡する』小室直樹・日本の近代史を学ぶ ・必読書リスト その四 戦時中のさまざまな手記、また戦没学生の手紙などを読む…

足裏の面積は1日の時間によって変化する/『足の裏は語る』平澤彌一郎

・『足裏を鍛えれば死ぬまで歩ける!』松尾タカシ、前田慶明監修 ・『間違いだらけのウォーキング 歩き方を変えれば痛みがとれる』木寺英史 ・『身体構造力 日本人のからだと思考の関係論』伊東義晃 ・足の裏は全身を支配している ・足裏の面積は1日の時間に…

2ページで挫ける/『時計仕掛けの歪んだ罠』アルネ・ダール

醜くて素敵なボートハウスがひとつぽつんと建っている。 【『時計仕掛けの歪んだ罠』アルネ・ダール:田口俊樹〈たぐち・としき〉訳(小学館文庫、2020年)】 田口俊樹の文章が苦手だ。散々悪口を書いてきたが、やはり駄目だった。石田善彦と田口は避けた方…

1ページ目で挫ける/『グッド・ドーター』カリン・スローター

サマンサ・クインは千匹のスズメバチに内側から脚を刺されたような気分で、手入れの行き届いていない私道を母屋に向けて走っていた。スニーカーが土を踏む音が激しい鼓動を伴奏し、汗に濡れて太いロープのようになったポニーテールがぴしぴしと肩を打つ。足…

足の裏は全身を支配している/『足の裏は語る』平澤彌一郎

・『足裏を鍛えれば死ぬまで歩ける!』松尾タカシ、前田慶明監修 ・『間違いだらけのウォーキング 歩き方を変えれば痛みがとれる』木寺英史 ・『身体構造力 日本人のからだと思考の関係論』伊東義晃 ・足の裏は全身を支配している ・足裏の面積は1日の時間に…

世界の知性が集結した第5回ソルベー会議/『量子革命 アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突』マンジット・クマール

・『「量子論」を楽しむ本 ミクロの世界から宇宙まで最先端物理学が図解でわかる!』佐藤勝彦監修 ・『黒体と量子猫』ジェニファー・ウーレット ・世界の知性が集結した第5回ソルベー会議・『宇宙は「もつれ」でできている 「量子論最大の難問」はどう解き明…

潜在自然植生/『宮脇昭、果てなき闘い 魂の森を行け』一志治夫

・『森のように生きる 森に身をゆだね、感じる力を取り戻す』山田博 ・『植物はそこまで知っている 感覚に満ちた世界に生きる植物たち』ダニエル・チャモヴィッツ ・『樹木たちの知られざる生活 森林管理官が聴いた森の声』ペーター・ヴォールレーベン ・潜…

近衛文麿の周囲には有力な軍人がいなかった/『軍閥 二・二六事件から敗戦まで』大谷敬二郎

・『機関銃下の首相官邸 二・二六事件から終戦まで』迫水久恒 ・『昭和陸軍謀略秘史』岩畔豪雄 ・『田中清玄自伝』田中清玄、大須賀瑞夫 ・『われ巣鴨に出頭せず 近衛文麿と天皇』工藤美代子 ・『大東亜戦争とスターリンの謀略 戦争と共産主義』三田村武夫 …

如何とも名状し難い強い懐しさの情/『紫の火花』岡潔

・『春宵十話』岡潔 ・『風蘭』岡潔 ・純粋直観と慈悲 ・如何とも名状し難い強い懐しさの情・『春風夏雨』岡潔 ・『人間の建設』小林秀雄、岡潔 ・『天上の歌 岡潔の生涯』帯金充利 満州事変の始る少し前、私はフランスへ行こうとして、シンガポールに来て一…

言葉の虚実/『清明(せいめい) 隠蔽捜査8』今野敏

・『隠蔽捜査』今野敏 ・『果断 隠蔽捜査2』今野敏 ・『疑心 隠蔽捜査3』今野敏 ・『初陣 隠蔽捜査3.5』今野敏 ・『転迷 隠蔽捜査4』今野敏 ・『宰領 隠蔽捜査5』今野敏 ・『自覚 隠蔽捜査5.5』今野敏 ・『去就 隠蔽捜査6』今野敏 ・『棲月 隠蔽捜査7』今野…

夢と現実/『棲月(せいげつ) 隠蔽捜査7』今野敏

・『隠蔽捜査』今野敏 ・『果断 隠蔽捜査2』今野敏 ・『疑心 隠蔽捜査3』今野敏 ・『初陣 隠蔽捜査3.5』今野敏 ・『転迷 隠蔽捜査4』今野敏 ・『宰領 隠蔽捜査5』今野敏 ・『自覚 隠蔽捜査5.5』今野敏 ・『去就 隠蔽捜査6』今野敏 ・夢と現実・『空席 隠蔽捜…

情報は有限である/『すごい物理学講義』カルロ・ロヴェッリ

・『「量子論」を楽しむ本 ミクロの世界から宇宙まで最先端物理学が図解でわかる!』佐藤勝彦監修・『黒体と量子猫』ジェニファー・ウーレット・『量子革命 アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突』マンジット・クマール・『宇宙は「もつれ」ででき…

ロシア革命を推進した日本人の諜報活動/『動乱はわが掌中にあり 情報将校明石元二郎の日露戦争』水木楊

・『乃木大将と日本人』スタンレー・ウォシュバン・『世界史劇場 日清・日露戦争はこうして起こった』神野正史 ・ロシア革命を推進した日本人の諜報活動 ・『ある明治人の記録 会津人柴五郎の遺書』石光真人・『守城の人 明治人柴五郎大将の生涯』村上兵衛・…

ストーカー対策チーム/『去就 隠蔽捜査6』今野敏

・『隠蔽捜査』今野敏・『果断 隠蔽捜査2』今野敏・『疑心 隠蔽捜査3』今野敏・『初陣 隠蔽捜査3.5』今野敏・『転迷 隠蔽捜査4』今野敏・『宰領 隠蔽捜査5』今野敏・『自覚 隠蔽捜査5.5』今野敏 ・ストーカー対策チーム ・『棲月 隠蔽捜査7』今野敏・『空席 …