古本屋の殴り書き

書評と雑文

文庫本

「予言が自己成就しない」実例/『スピリチュアルズ 「わたし」の謎』橘玲

・『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ』橘玲 ・『世界にひとつしかない「黄金の人生設計」』橘玲、海外投資を楽しむ会 ・スピリチュアル=呪術的=無意識 ・反社会的な人間は心拍数が低い ・「予言が自己成就しない」実例 楽観…

長くて混乱する文章/『怒り』吉田修一

犯行現場となった尾木幸則〈おぎ・ゆきのり〉宅は八王子郊外の新興住宅地「けやきの丘」に建つ一戸建てで、南側に日を遮る障害物がなく、夫婦共働きのため一日中閉め切られていたはずの室内は、犯行が行われた午後6時半ごろには40度近くになっていたはずだ。…

反社会的な人間は心拍数が低い/『スピリチュアルズ 「わたし」の謎』橘玲

・『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ』橘玲 ・『世界にひとつしかない「黄金の人生設計」』橘玲、海外投資を楽しむ会 ・スピリチュアル=呪術的=無意識 ・反社会的な人間は心拍数が低い ・「予言が自己成就しない」実例 犯罪…

スピリチュアル=呪術的=無意識/『スピリチュアルズ 「わたし」の謎』橘玲

・『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ』橘玲 ・『世界にひとつしかない「黄金の人生設計」』橘玲、海外投資を楽しむ会 ・スピリチュアル=呪術的=無意識 ・反社会的な人間は心拍数が低い ・「予言が自己成就しない」実例 脳は…

「つかむ」ということ/『惣角流浪』今野敏

・『雷電本紀』飯嶋和一 ・『日本の弓術』オイゲン・ヘリゲル ・『鉄人を創る肥田式強健術』高木一行 ・『肥田式強健術2 中心力を究める!』高木一行 ・『表の体育裏の体育 日本の近代化と古の伝承の間(はざま)に生まれた身体観・鍛錬法』甲野善紀 ・『武…

自爆テロの兆候リスト/『葬られた勲章』リー・チャイルド

・『キリング・フロアー』リー・チャイルド ・『反撃』リー・チャイルド ・『警鐘』リー・チャイルド ・『宿敵』リー・チャイルド ・『前夜』リー・チャイルド ・『アウトロー』リー・チャイルド ・『奪還』リー・チャイルド ・自爆テロの兆候リスト・『61時…

川は世界最大の「ゼネコン」/『地形で解く すごい日本列島』おもしろ地理学会編

・川は世界最大の「ゼネコン」・『川と人類の文明史』 ローレンス・C・スミス 川は大規模な「土木事業」をやってのけます。そのパワーは、世界最大の「ゼネコン」といってもいいでしょう。(中略) 川が最大級のゼネコンだというのは、地形に及ぼす3つの力を…

丸茂組を単独で制圧/『鬼の冠 武田惣角伝』津本陽

・『雷電本紀』飯嶋和一 ・『日本の弓術』オイゲン・ヘリゲル ・『鉄人を創る肥田式強健術』高木一行 ・『肥田式強健術2 中心力を究める!』高木一行 ・『表の体育裏の体育 日本の近代化と古の伝承の間(はざま)に生まれた身体観・鍛錬法』甲野善紀 ・『武…

橋と手裏剣/『鬼の冠 武田惣角伝』津本陽

・『雷電本紀』飯嶋和一 ・『日本の弓術』オイゲン・ヘリゲル ・『鉄人を創る肥田式強健術』高木一行 ・『肥田式強健術2 中心力を究める!』高木一行 ・『表の体育裏の体育 日本の近代化と古の伝承の間(はざま)に生まれた身体観・鍛錬法』甲野善紀 ・『武…

身長147cmの巨人/『鬼の冠 武田惣角伝』津本陽

・『雷電本紀』飯嶋和一 ・『日本の弓術』オイゲン・ヘリゲル ・『鉄人を創る肥田式強健術』高木一行 ・『肥田式強健術2 中心力を究める!』高木一行 ・『表の体育裏の体育 日本の近代化と古の伝承の間(はざま)に生まれた身体観・鍛錬法』甲野善紀 ・『武…

天地父母のめぐみをうけて生れ、又養はれたるわが身なれば、わが私の物にあらず/『すらすら読める 養生訓』立川昭二

・天地父母のめぐみをうけて生れ、又養はれたるわが身なれば、わが私の物にあらず・『養生訓に学ぶ』立川昭二 ・『養生訓』貝原益軒:松田道雄訳 ・『養生訓・和俗童子訓』貝原益軒:石川謙校訂 ・『静坐のすすめ』佐保田鶴治、佐藤幸治編著・身体革命 ・必…

鹿島神流の国井善弥/『武術の新・人間学 温故知新の身体論』甲野善紀

・『雷電本紀』飯嶋和一 ・『日本の弓術』オイゲン・ヘリゲル ・『鉄人を創る肥田式強健術』高木一行 ・『肥田式強健術2 中心力を究める!』高木一行 ・『表の体育裏の体育 日本の近代化と古の伝承の間(はざま)に生まれた身体観・鍛錬法』甲野善紀 ・『武…

武術の達人/『武術の新・人間学 温故知新の身体論』甲野善紀

・『雷電本紀』飯嶋和一 ・『日本の弓術』オイゲン・ヘリゲル ・『鉄人を創る肥田式強健術』高木一行 ・『肥田式強健術2 中心力を究める!』高木一行 ・『表の体育裏の体育 日本の近代化と古の伝承の間(はざま)に生まれた身体観・鍛錬法』甲野善紀 ・『武…

カーゴカルト=積荷崇拝/『「偶然」の統計学』デイヴィッド・J・ハンド

・『動物感覚 アニマル・マインドを読み解く』テンプル・グランディン、キャサリン・ジョンソン ・カーゴカルト=積荷崇拝・『人間この信じやすきもの 迷信・誤信はどうして生まれるか』トーマス・ギロビッチ ・『脳はいかにして〈神〉を見るか 宗教体験のブ…

ディストピア小説の元祖/『われら』ザミャーチン

・『木曜の男』G・K・チェスタトン ・新世界秩序とグローバリゼーションは単一国を目指す ・ディストピア小説の元祖・『すばらしい新世界』オルダス・ハクスリー:黒原敏行訳 ・『一九八四年』ジョージ・オーウェル:高橋和久訳 ・『国難の正体 世界最終戦争…

学問と戦争/『子産』宮城谷昌光

・『晏子』宮城谷昌光 ・日本国民は一命をなげうって戦うか? ・疾病の意味 ・学問と戦争・『湖底の城 呉越春秋』宮城谷昌光 戦場での駆け引きは、学問によってわかることではない。【『子産』宮城谷昌光〈みやぎたに・まさみつ〉(講談社、2000年/講談社文…

疾病の意味/『子産』宮城谷昌光

・『晏子』宮城谷昌光 ・日本国民は一命をなげうって戦うか? ・疾病の意味 ・学問と戦争・『湖底の城 呉越春秋』宮城谷昌光 やまいには疾(しつ)と病(びょう)の字があてられるが、疾は軽度のやまいをあらわし、病はいわゆる重症のことである。病む、とい…

日本国民は一命をなげうって戦うか?/『子産』宮城谷昌光

・『晏子』宮城谷昌光 ・日本国民は一命をなげうって戦うか? ・疾病の意味 ・学問と戦争・『湖底の城 呉越春秋』宮城谷昌光 「徳によって恵みをほどこし、刑によって邪を正し、詳によって神に仕え、義によって利を建て、礼によって時に順(したが)い、信に…

原子のの99.99パーセントは空間/『本当にあった嘘のような話 「偶然の一致」のミステリーを探る』マーティン・プリマー、ブライアン・キング

・ユングは偶然の一致を「時間の創造行為」と呼んだ ・宇宙人に誘拐されたアメリカ人は400万人もいる ・株式有料情報の手口 ・偶然の一致は壮大な宇宙の調和の現われ ・原子のの99.99パーセントは空間・『宇宙は何でできているのか 素粒子物理学で解く宇宙の…

エリートの勘違い/『清明 隠蔽捜査8』今野敏

・『隠蔽捜査』今野敏 ・『果断 隠蔽捜査2』今野敏 ・『疑心 隠蔽捜査3』今野敏 ・『初陣 隠蔽捜査3.5』今野敏 ・『転迷 隠蔽捜査4』今野敏 ・『宰領 隠蔽捜査5』今野敏 ・『自覚 隠蔽捜査5.5』今野敏 ・『去就 隠蔽捜査6』今野敏 ・『棲月 隠蔽捜査7』今野…

日本を貶める目的で書かれた左翼文学/『神聖喜劇』大西巨人

大前田軍曹(※内務班長・陸軍)が何かのおりふし自発的に物語った(と私が主〈おも〉に人づてに聞き知った)戦場での体験談には、たとえば次ぎの三つがあった。【『神聖喜劇』大西巨人〈おおにし・きょじん〉(カッパ・ノベルス、1968年/光文社、1978年/文…

物語を禁止された国/『アメリカン・ブッダ』柴田勝家

・物語を禁止された国・『華氏451度』レイ・ブラッドベリ ・『アラブ、祈りとしての文学』岡真理・ミステリ&SF ジョン・ヌスレは自分の職業に誇りを持っていた。 空港で働く検疫官だった。感染症を国内に持ち込ませないという、崇高な使命を持った仕事であ…

三度目の正直で一気読み/『ストーンサークルの殺人』M・W・クレイヴン

・三度目の正直で一気読み・『ブラックサマーの殺人』M・W・クレイヴン ・『キュレーターの殺人』M・W・クレイヴン ・『グレイラットの殺人』M・W・クレイヴン ・『夜中に犬に起こった奇妙な事件』マーク・ハッドン ・『くらやみの速さはどれくらい』エリザ…

無味乾燥な正論/『戦中派の死生観』吉田満

・『現人神の創作者たち』山本七平 ・「戦後日本に欠落したもの」 ・戦前戦後の歴史的断絶 ・無味乾燥な正論・『戦艦大和ノ最期』吉田満・日本の近代史を学ぶ われわれ日本人は、戦争と敗戦の経験を通して、本当に目覚めたのか。日本が孤立化の道を突き進ん…

戦前戦後の歴史的断絶/『戦中派の死生観』吉田満

・『現人神の創作者たち』山本七平 ・「戦後日本に欠落したもの」 ・戦前戦後の歴史的断絶 ・無味乾燥な正論・『戦艦大和ノ最期』吉田満・日本の近代史を学ぶ ポツダム宣言受諾によって長い戦争が終り、廃墟と困窮のなかで戦後生活の第一歩を踏み出そうとし…

「戦後日本に欠落したもの」/『戦中派の死生観』吉田満

・『現人神の創作者たち』山本七平 ・「戦後日本に欠落したもの」 ・戦前戦後の歴史的断絶 ・無味乾燥な正論・『戦艦大和ノ最期』吉田満・日本の近代史を学ぶ 太平洋戦争が終って33年目を迎えている。この間に日本の社会は、いくつかの屈折点を経てきた。民…

偶然の一致は壮大な宇宙の調和の現われ/『本当にあった嘘のような話 「偶然の一致」のミステリーを探る』マーティン・プリマー、ブライアン・キング

・ユングは偶然の一致を「時間の創造行為」と呼んだ ・宇宙人に誘拐されたアメリカ人は400万人もいる ・株式有料情報の手口 ・偶然の一致は壮大な宇宙の調和の現われ ・原子のの99.99パーセントは空間・『偶然とは何か 北欧神話で読む現代数学理論全6章』イ…

近代日本を呪縛する水戸学/『現人神の創作者たち』山本七平

・『日本教の社会学』小室直樹、山本七平 ・近代日本を呪縛する水戸学・『戦中派の死生観』吉田満 ・『日本国民に告ぐ 誇りなき国家は滅亡する』小室直樹・日本の近代史を学ぶ ・必読書リスト その四 戦時中のさまざまな手記、また戦没学生の手紙などを読む…

足裏の面積は1日の時間によって変化する/『足の裏は語る』平澤彌一郎

・『足裏を鍛えれば死ぬまで歩ける!』松尾タカシ、前田慶明監修 ・『間違いだらけのウォーキング 歩き方を変えれば痛みがとれる』木寺英史 ・『身体構造力 日本人のからだと思考の関係論』伊東義晃 ・足の裏は全身を支配している ・足裏の面積は1日の時間に…

2ページで挫ける/『時計仕掛けの歪んだ罠』アルネ・ダール

醜くて素敵なボートハウスがひとつぽつんと建っている。 【『時計仕掛けの歪んだ罠』アルネ・ダール:田口俊樹〈たぐち・としき〉訳(小学館文庫、2020年)】 田口俊樹の文章が苦手だ。散々悪口を書いてきたが、やはり駄目だった。石田善彦と田口は避けた方…