・モンスターペアレントの実態
・『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』その後
・真相は藪の中
・『実子誘拐ビジネスの闇』池田良子
・『ポリコレの正体 「多様性尊重」「言葉狩り」の先にあるものは』福田ますみ
・『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン
昨日、『ポリコレの正体』読了。一気読み。アメリカ国内がポリコレ病に侵されている実情がよくわかった。マルクス主義者の文化的破壊工作が実に巧妙で、その息の長い自発性に驚く。ただし書かれていないことがあって、「面白い雑誌記事」レベルを脱していない。
「福田本は事実を逆さまに書いているとの指摘がある」と以前書いた(日本の家族制度崩壊を目論む左翼ネットワーク/『実子誘拐ビジネスの闇』池田良子)。新しい事実がないかどうか検索してみたが、調べれば調べるほどわからなくなってくる。結局のところ真相は藪(やぶ)の中だ。
前代未聞の中傷書籍出版
一審判決がだされ控訴審が争われていた最中の2007年1月、あるルポライターの名義で、事件を正当化し「モンスターペアレントによるでっちあげ」と主張する書籍が発行された。加害者周辺からの口コミの形での被害者中傷はこれまでのこの手の事件でもよく見られたが、マスコミを使っての大々的な中傷は前代未聞だと思われる。
この書籍は「教師への一方的な報道被害」「センセーショナルな報道への批判」を主張の軸の一つにしているが、実際にはこの書籍自体がセンセーショナル報道をおこなって被害者に報道被害を与えることになった。
書籍やそれに追随した一部報道を盲信し、その筋書に沿って被害者親子を攻撃する文章をブログ等で発表する人物や、いじめ行為を批判するブログなどに対してコメント欄に突撃して内容を書き換えさせようとする人物なども多く現れた。
私は最初、『でっちあげ』を鵜呑みにし、次に上記テキストを鵜呑みにした。続いて地元住民のコメントを紹介しよう。
【でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相 | iFinder 雑読乱文】
驚愕の証言である。「なぜなら、目撃証言もたくさんあり、本当にこの信じがたい暴力虐待教師は存在し、事件自体が本当にあったからです。それを、同じ創価学会の信者である作者が共謀し、被害者側に有利なものは全て除外し、教師の大嘘を並び立て、被害者を中傷した、一方的な本だからです」。
該当コメント欄には何と著者の福田本人の書き込みもある。が、福田は反論していない。ま、コメント欄を見てない可能性も大きいが。
「教育資料庫」という名称から受ける客観性と、地元住民の声を知れば、「『でっちあげ』こそがでっちあげだった」と思うのは自然な流れだろう。
しかし古書店主のリテラシーはここで思いとどまる。原告(児童側)側は550人もの大弁護団を結成した。大弁護団というのは必ず人権派弁護士による人海戦術である(「人権派」の暴走がもたらした冤罪事件 「でっちあげ」 - 頭の上にミカンをのせる)。
ひょっとすると「教育資料庫」の主(ぬし)は左翼関係者かもしれない。では地元住民はどうか? こちらは判然としないが、「創価学会」の名称の出し方が実に効果的で、やや政治の臭いがしないでもない。因みに日本共産党と創価学会は犬猿の仲である(侠気と詭弁/『仮面を剥ぐ 文闘への招待』竹中労)。
尚、本書刊行後も福田は新潮社サイトでフォロー記事を5回にわたって配信している。
・福田ますみ 『でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相―』 | 新潮社
私が本書に疑問を抱くきっかけとなったのは以下の記事である。
・福岡の「小学生いじめ教師」の話の続き的な本について - 愛・蔵太の気になるメモ(homines id quod volunt credunt)
14年前に読んだ本の疑惑はいまだに解けない。党派性がぶつかるところでは必ず嘘がまかり通る。福田ますみについて私の中ではシュレディンガーの猫状態で、善人と悪人が同居している。