・『NLPフレーム・チェンジ 視点が変わる〈リフレーミング〉7つの技術』L・マイケル・ホール、ボビー・G・ボーデンハマー
・『潜在意識をとことん使いこなす』C・ジェームス・ジェンセン
・『こうして、思考は現実になる』パム・グラウト
・『こうして、思考は現実になる 2』パム・グラウト
・『自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング』アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ
・『無(最高の状態)』鈴木祐
・『あなたという習慣を断つ 脳科学が教える新しい自分になる方法』ジョー・ディスペンザ
・『ゆだねるということ あなたの人生に奇跡を起こす法』ディーパック・チョプラ
・『未来は、えらべる!』バシャール、本田健
・『ソース あなたの人生の源は、ワクワクすることにある。』マイク・マクマナス
・『未処理の感情に気付けば、問題の8割は解決する』城ノ石ゆかり
・『マンガでわかる 仕事もプライベートもうまくいく 感情のしくみ』城ノ石ゆかり監修、今谷鉄柱作画
・『無意識がわかれば人生が変わる 「現実」は4つのメンタルモデルからつくり出される』前野隆司、由佐美加子
・『ザ・メンタルモデル ワークブック 自分を「観る」から始まる生きやすさへのパラダイムシフト』由佐美加子、中村伸也
・『お金の不安と恐れから自由になる! 人生が100%変わるパラダイムシフト』由佐美加子
・『奇跡の脳 脳科学者の脳が壊れたとき』ジル・ボルト・テイラー
・『悟り系で行こう 「私」が終わる時、「世界」が現れる』那智タケシ
・『わかっちゃった人たち 悟りについて普通の7人が語ったこと』サリー・ボンジャース
・『今、永遠であること』フランシス・ルシール
・『プレゼンス 第1巻 安らぎと幸福の技術』ルパート・スパイラ
・『ブッダの教え一日一話 今を生きる366の智慧』アルボムッレ・スマナサーラ
・『反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』草薙龍瞬
・『ザ・ワーク 人生を変える4つの質問』バイロン・ケイティ、スティーヴン・ミッチェル
・『タオを生きる あるがままを受け入れる81の言葉』バイロン・ケイティ、スティーヴン・ミッチェル
・『子供たちとの対話 考えてごらん』J・クリシュナムルティ
由佐●無自覚に、この世界に適合して生きるためには何をしないといけないと思っているか、という適合期に作り出した自動システムがあるんですね。その大元にある信念を「【メンタルモデル】」と呼んでいます。何かが欠けている、という欠損の痛みから作られています。そのメンタルモデルからの痛みの回避行動をどういうふうにやっているか、というのがその人の人生のすべてです。結果、自分は、何を痛みとして補い続けて生きているのかということに気づいてもらうというのが、この場の課題です。このシステムがわからないと、基本的に、いま話したことをずっとやっているだけだから。統合に進めないんですよね。
【『ザ・メンタルモデル 痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー』由佐美加子〈ゆさ・みかこ〉、天外伺朗〈てんげ・しろう〉(内外出版社、2019年)以下同】
本書の大半は実際のセッションが収録されている。メンタルモデルは親子関係から形成される。俗に「三つ子の魂百までも」というが、魂をメンタルモデルに置き換えて構わないだろう。魂とは意識下の領域である。
由佐●適合期にある人たちは、「悪くはない」という世界です。生きていて、そこそこ悪くはない、という人生なの。ただ、自分の人生を全うしているという感じにはならないかも。楽だし、快適だし、悪くないよね、というのがあるし。適合期を生きてても、社会的には成功できるから。本当に、自分が何をしにここにきたのか思い出せない。だから、社会システムの部品のように、役割や責任として求められている機能を果たして生きている。要は、適合の世界で生き抜いている。
ソース(源)というのは、基本的に、命の源につながり直すことです。思い出す、というのは、自分の命につながり直すということなんですね。適合期が牛耳っているのは、思考の世界なんですよ、全部……。思考と思考で世界を判別し、区分する世界が、全部、牛耳って、「どうしたらうまくいくか?」をひたすら考えている。
適合は適応でもある。つまり競争社会で勝ち残っている人々が該当する。ところが往々にして彼らは「価値なしモデル」なのだ(4種類のメンタルモデル)。「社会システムの部品」となって努力また努力を重ね、応分の対価を得る人生といってもよいだろう。
彼らの存在価値は常に外部から決定されるため、生の充実を欠いている。「何となく上手くいっているのだが、決定的に何かが足りない」心理状況で、何か事が起こるとそれまで築いてきたもの全てを失う脆(もろ)さがある。
由佐●自己統合は、良いも悪いもなくて、自分の中に“何があるのか”をただ認める、という世界。ひたすら“感じる”ということです。ここを統合していくと、本当の意味で命につながって体現できる。要は、感情と思考が統合されて知性になるということですよね。そうなると、人間として進化するんですよね。これが、人間が本当に発達していくことだと思っています。本当に、自分が見たかった世界を、自己表現期で世界に表現できるのが、たぶん、その人にとって、一番の幸せなんです……。それが、本当は天命のような本当の仕事を作り出すことだって思っているんです。与えられた部品の何かを担うんじゃなくて、その人が、この世界で作り出したいと思う、自分が見たい世界を生きて、それを表現できるようになるというのが、本当は、世界の平和や調和を生むんじゃないの? という仮説があります。
命につながることを、「ソース」(源)とも表現している。
日蓮は「内外相対(そうたい)して内道が勝つ」と説く(五重の相対)。幸不幸の因果を自身の内側に求めるのが内道(ないどう=仏教)で、外部に求めるのが外道(仏教以外の教え)である。マネーが支配する資本主義経済は外道の世界である。私が若い頃、「物の時代から心の時代へ」というキャッチフレーズが一世を風靡した。その後時代はバブルへと向かい、より一層「物の時代」が続いた。小型のベンツが「小ベンツ」と呼ばれ、一昔前のカローラみたいな扱いを受けていた。「愛だって金で買える」と矢沢永吉は嘯(うそぶ)いた(『成りあがり』)。
若者の悩みは仕事と恋愛に尽きるだろう。長ずるにつれて子育て、家庭不和、そして病気、親の介護、死別などと変化する。全部外側である。内道とは心であるゆえに病気ですら外部となるのだ。
生物は環境に適応しながら進化を遂げた。つまり環境に依存し、環境に規定される存在といってよい。だが、心はそれで満たされることはない。脳が因果という物語に支配されているのであれば、人それぞれに「私の物語」があるはずなのだ。
内なる世界の変化は自ずと外側に表れる。私が変われば、必ず世界は変わるのだ。クリシュナムルティが『あなたは世界だ』と説いた理由がここにある。