古本屋の殴り書き

書評と雑文

Webは都市から荒野へ向かう

 Googleが明らかに書評ページを回避している。「書籍タイトル+書評」で検索すれば直ぐわかることだ。Bloggerからはてなブログへ引っ越してからアクセス数が激減した。それは別に構わない。しかし書評情報を探せないとなると話は別だ。以前なら必ず目にした「松岡正剛の千夜千冊」ですらヒットしなくなっている。

 Googleは本を読ませない方向へ時代をリードしているのだろう。数年前から検索精度が落ちていることには気づいていたが、近頃では「おすすめサイト」や「ベスト10サイト」ばかりが上位に表示される。あとは専ら販売サイトだ。

 つらつら考えるとWebは都市から荒野へ向かうのではないか。Web3.0などと麗々しい言葉を掲げているが、テキストベースでは厳選された情報に遭遇することは困難になりつつある。

 ここにビジネスチャンスがあるように思うのだが、どこの企業も手をつけないところを見るとコストとパフォーマンスが釣り合わないかもしれない。

 テキストの主流はもはやSNSで「流れる情報」と化している。固定された本棚のようなスタイルよりも、ひたすら流れゆく字幕のような形式が好まれる。

 知の形成などと大袈裟に考える必要はないが、何らかの基準やベースを欠けば感情や雰囲気だけで世の中が一気に動く事態を憂慮する。

 たとえWebが荒野になったとしても、荒野ならではの発見と出会いがあることだろう。