古本屋の殴り書き

書評と雑文

イス軸法との出会い

『足の裏は語る』平澤彌一郎
『より速く!より強く! 古武術で運動能力がどんどん上がる本』高橋佳三監修

 ・イス軸法との出会い

藤原将志(秀徹) vs. 西山創(イス軸法)
『お辞儀のチカラ 礼と志の「武学」 あなたが変わる、人生が変わる、世界が変わる』レノンリー

 昨年、最初の動画で「イス軸法」を知った。私の身体に関する興味は自転車伊藤式胴体トレーニング常歩(なみあし)→イス軸法→秀徹と深化している。イス軸法を開発した西山創〈にしやま・はじめ〉は岡山県で整体院を営む武術家(太極拳意拳)である。10年かけて会得した体軸が、5秒で身につくという。私自身、色々な人で試してみたが、その即効性に驚愕した。霊験(れいげん)あらたかな秘術にも思えるが、よく考えるとその合理性に気づく。背骨を下から順番にきちんと積み重ねてゆくことで軸が形成されるのだ。人体の不条理は最も重い頭を一番上にしてしまったところにある。人類は視点の高さと両腕の自由を獲得したが、腰痛に悩まされることとなる。進化のトレードオフと言っていいだろう。呼吸法や歩き方と同様で「簡単なことほど難しい」。体軸形成は「体の瞑想」と言ってよい。筋肉から体幹体幹から骨へと意識をシフトする。