・『古武術でカラダがみるみる蘇る』高橋佳三監修
・背骨を積み上げて立つ
・身体革命
古武術の基本 背骨を積み上げて立つ姿勢
・体幹から足まで力が伝わる姿勢をつくる
そこでぜひやってほしいのが、背骨の積み上げです。前屈の姿勢から、背骨を下から順番にひとつずつ積み上げていく感覚で上体を起こしていきましょう。すると、足から体幹、頭までが全部つながり、全身で反応できる姿勢をつくることができます。
【『より速く!より強く! 古武術で運動能力がどんどん上がる本』高橋佳三〈たかはし・けいぞう〉監修(宝島社、2021年)以下同】
【ここに注意を!】腰骨、背骨、頸の骨と、下から順番に、ゆっくりと積み上げていくイメージで行ってください。頭や背中から上げてしまったり、速く動かしすぎたりするとうまくいきません。最初は、下腹に手を添えて軽く押す感覚でやってみると、腰の骨から順番に状態を起こしていくことができます。
高橋佳三(びわこ成蹊スポーツ大学教授)は甲野善紀に師事して古武術を学んだ。個人的には甲野という人物は理に傾きすぎているような気がして、あまり好きではなかった。もっさりした風体と、モワーっとした口調も苦手だった。しかし、高橋のような後継がいることを踏まえれば、やはり本物なのだろう。小平奈緒が定期的に高橋の講習会に参加していたそうだ。

画像を見れば一目瞭然だが、ほぼイス軸法と同じである。影武流(けいぶりゅう)合気体術の場合は上体を起こしながら顔を上に向ける。武術に術理があるように、立ち方にも何らかの理(ことわり)があるのだろう。「背骨を積み上げて立つ」のは幼児期の経験を再現する行為であり、更にいえば二足歩行を始めた遠い昔の先祖の記憶を辿っているのかもしれない。
高橋はDVDブックも出していて、いずれも評価が高い。