古本屋の殴り書き

書評と雑文

燃えたつ→萌えたつ

 花は一面に咲きみだれ、草は燃えたつみどりに輝いていた。(273ページ)


【『くじ 異色作家短篇集12』シャーリイ・ジャクスン:深町眞理子訳(早川書房、1976年)】

 私の手元にある書籍だと深町真理子だが、新しい版では眞理子となっている。宇野利泰・福島正実の下訳者を務めたベテラン翻訳家である。それだけに誤字が惜しまれる。

「燃えたつ」は「萌えたつ」である。この程度の誤記はしょっちゅう見掛けるが、深町作品にあることがちょっとショックだった。