・腸内細菌の種類を100種類以上増やした「ある穀物」
腸内環境をよくするために重要な食物繊維ですが、現代人は不足しがちです。そこで、われわれの研究所は、兵庫県加東市と神戸の企業と共同で、食物繊維が豊富なもち麦を2カ月食べてもらう試験を行ない、その結果、腸内細菌が平均で約100種類増えることがわかりました。
2020年10月から2カ月間、同市職員男女30の計60人に、蒸したもち麦を茶わん1杯分(70g)毎朝食べてもらいました。調査前に調べた職員の腸内細菌の種類の平均は約770で、われわれが収集している全国平均のデータと大差がありませんでした。それが調査後には、平均で約880種類に増加したのです。
さらに、1000種類以上の腸内細菌を持つ多様性が比較的高い人は、全国平均の12%に対して、試験前の同市職員は3%と少ない傾向でした。しかし、試験後には17%に増え、1500種類を超える人が4人もいらっしゃいました。この結果は、腸内細菌がいかに食物繊維を好むか、ということを証明しているといえるでしょう。(中略)
また、間食が減る傾向もありました。腹持ちがよい食物繊維の摂取量が増えたことで、食べすぎの防止につながったと考えられます。【『9000人を調べて分かった腸のすごい世界 強い体と菌をめぐる知的冒険』國澤純〈くにさわ・じゅん〉(日経BP、2023年)】
・蒸しもち麦の作り方とおすすめ市販品!もち麦の美味しい調理法 | もちむぎ村 ‐ マルヤナギ
「腸内細菌で自閉症の症状を緩和することができる」という話もある(池谷裕二)。健康オタクとしては無視できない。速攻でやまびこ村農園のもち麦を購入した。
橋本敬三は食べ物の割合を歯の種類から割り出し、「門歯8:犬歯4:臼歯16=野菜2:肉1:穀物4」とした。一汁一菜に倣(なら)えば、一肉二野菜四穀物である。
糖質ダイエットの危うさについては本書でも触れられている。2型糖尿病の気(け)がある人は、ご飯を冷ましてから食べればよい(レジスタントスターチが増加する)。
先日、大腸カメラで検査をしたため、腸内細菌がスッカラカンになっている。腸は人体における土壌である。土壌が貧しければ花や実をつけることは難しい。本当は手っ取り早く便移植をしたいところだ。
腸内細菌は多様であるほどいいらしい。するってえと偏食を避ける必要がある。好きなものだけ食べていると腸内細菌が偏ってしまう。普段食べないものを摂るよう心掛けるだけで腸内はカラフルになることだろう。
ただし一番大切なことは粗食に徹することだ。食べ過ぎこそが健康を蝕む。
本書でもヨーグルトに関する記述が多いが、武田邦彦が「ヨーグルトは日本人に合わない」と断言している。飛鳥時代に皇室でヨーグルトを食べていたらしいが、さほど効果が見られなかったため途絶えた歴史があるという。そもそも日本人の多くは乳糖不耐症があるので、乳製品を持ち上げる学者や専門家の言葉を鵜呑みしない方がよい。日本人であれば、漬け物・キムチ・納豆で間に合う。