古本屋の殴り書き

書評と雑文

リーキーガットとは/『大豆毒が病気をつくる 欧米の最新研究でわかった!』松原秀樹

『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー
『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二
『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『食事で治す心の病 心・脳・栄養 新しい医学の潮流』大沢博
『免疫力が10割 腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず』小林弘幸、玉谷卓也監修
『DNA再起動 人生を変える最高の食事法』シャロン・モアレム

 ・野菜の食べ過ぎは体に悪い
 ・リーキーガットとは
 ・味噌や納豆の健康効果
 ・LDLコレステロールについて その一
 ・LDLコレステロールについて その二

大豆毒

身体革命
必読書リスト その一

 植物は、鳥や虫に食べられそうになっても、逃げることも戦うこともできません。そこで植物は、種の生存競争を生き抜くために「毒」を自ら作って食べられるのを防いでいるのです。その毒が、【レクチン】です。
 レクチンが多く含まれている部位は、外皮や胚芽です。とくに「芽」には多く含まれています。
 そして【レクチンがとくに多いのは、穀類や豆類】です。外皮や胚芽を含んだ玄米や雑穀――小麦・大麦・ハトムギ・ヒエ・アワ・キビ・キヌアなどには、非常に多くのレクチンが含まれています。そして大豆にも、レクチンが多く含まれています。
【レクチンを毎日摂取し続けていると、胃腸の粘膜がただれてしまいます。】
 そして「リーキーガット」になります。リーキーガットとは、腸壁の細胞同士の結合がゆるんだ状態のことです。腸壁の細胞同士の結合がゆるむことによって、本来なら吸収されてはいけないものが、血液に侵入してしまいます。
 吸収されてはいけないものが侵入すると、腸の免疫細胞が「異物」とみなして排除しようとします。そのため炎症がおきます。この炎症はごく小さなもので、痛みや発熱などの症状は出ませんが、血液中に「炎症性サイトカイン」という物質を増やします。サイトカインは免疫細胞のメッセージ物質で、そのメッセージは「炎症をおこせ!」です。
 炎症性サイトカインが多い血液が全身に循環すると、どうなるでしょうか?
 全身のいたる箇所に、炎症がおきやすくなります。とりわけ刺激が多いところや、その人の弱い箇所に炎症がおきます。そうして花粉症やアトピーや喘息などといったアレルギーの炎症が悪化します。また、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、大腸炎なども悪化します。関節炎やリウマチも悪化します。

【『大豆毒が病気をつくる 欧米の最新研究でわかった!』松原秀樹〈まつばら・ひでき〉(知道出版、2022年)】

 リーキーガットと炎症性サイトカイン松原秀樹のキーワードである。

 漏れてはいけないものが漏れたら、かなり危ない。涎(よだれ)や糞尿の垂れ流しを思えばわかりやすいだろう。しかも内蔵の場合、それぞれの機能が決まっており、消化・解毒のメカニズムがきっちりしている。例えば血管に10ml以上の空気を注入すれば空気塞栓を起こす。

 人体をチクワに見立てると、消化器系の胃腸器官は外部となる。ここがややこしいところだ。我々の体はチクワの空洞部分で消化しているのだよ。

「炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインのバランスが崩れると,自己免疫疾患などの疾患を引き起こすことが知られている」(羊土社)。するってえと、リーキーガットこそが自己免疫疾患の原因になり得ることもあるわけだ。体内のどこであれ異物が侵入すれば免疫機能が働くのは当然だろう。アレルギー体質の人は普段の食事を見直した方がよい。

「レクチンは充分加熱すること(沸騰状態で5~10分)で毒性がなくなります。生のままや不完全な加熱で中毒を起こした例がありますので気をつけましょう」(天然の毒から身を守る)。

「欧米のある研究者は、現代の生活習慣病(肥満、糖尿病)、アレルギーなどの自己免疫疾患、がん、認知症の原因としてレクチンをあげており、レクチンが現代人の健康を阻害していると述べています」(sonomono)。

 そもそも大豆が健康によいのであれば、わざわざ納豆なんて作る必要がなかったはずだ。発酵させることで毒性を失わせたのだろう。納豆の起源は定かでないが(納豆の栄養とルーツの秘密!)、古人の智慧には驚くばかりだ。