人為的に加温する「速醸法」
一方、速醸法は、人工的に熱を加えて麹の働きを活発にして強制的に発酵させ、短期間に味噌を作りあげる方法です。量産品の多くがこの方法です。気温の低い季節でも、味噌の熟成を早めて短期間で完成するため、早ければ1カ月、時間をかけても半年ほどで味噌を出荷することができます。この方法により、本来およそ1年という長期間の熟成が必要とされていた味噌の生産期間は大幅に短縮され、味噌業界に大きな変革をもたらしました。速醸法で生産された味噌は熱を加えて強制的に発酵させるため、 酵母、乳酸菌など味噌に含まれるはずの良い成分が死滅しやすくなります。また、一定の温度で熟成するため、生成する発酵生産物も単一化しやすくなります。そのため、 味噌の芳醇な風味と旨味、さらに大切な栄養分が残りにくくなります。