・教科書が国を滅ぼす
イギリス病――よく言われてきた言葉であるが、その実態は本当に悲惨なものであった。その病は、マーガレット・サッチャーが首相の座についた1979年にピークに達していた。その頃のイギリス社会の状況について渡部昇一〈わたなべ・しょういち/上智大学名誉教授〉はこう回想している。
「当時のイギリスはさながら敗戦国のようであった。事実、経済敗戦国だったのである。市街の大きな通りに面したところでも、板を打ち付けて閉店になっているところが多く目につき、貸家、売家の看板が無闇に多かった」
何故こんなふうになってしまったのか。第二次世界大戦後、労働党政権のもとで実施された「揺りかごから墓場まで」という手厚い福祉政策や、主要産業の国有化による“親方日の丸”のような気分の蔓延によって、イギリス人がすっかり働かなくなってしまったことが原因の一つとして挙げられよう。悪しき平等主義を標榜する労働組合に対する宥和政策が産業競争力を奪ったという面もあった。(中略)
しかも、ひどいのは経済だけではなかった。1960年代に世界の先進国で吹き荒れた学園紛争の余波で、伝統的な価値観に対する反発と社会主義・進歩主義に対する憧れが青年層を中心に広がり、若者の性道徳は乱れ、未婚の母が急増した。しかも未婚の母に対し、アパートと生活保護を必要以上に与える政策を時の政府がとったため、若い母子を見捨てる無責任な父親が急増し、家庭の崩壊は急速に進むことになったのである。このことは、今日の我が国において、生活保護の援助額が国民年金受給者の月額を超えている矛盾と似ている。
高福祉とは裏腹の、誰かに責任を負ってもらうという他人依存型社会。同時に悪しき平等主義で、努力しない人間も平等に扱われる無責任型社会。(中略)
この無責任体質は、学校教育にも及んでいた。(松原仁)【『サッチャー改革に学ぶ教育正常化への道 英国教育調査報告』中西輝政〈なかにし・てるまさ〉監修:英国教育調査団編(PHP研究所、2005年)】
英国教育調査団は、古屋、下村、亀井、山谷、松原、笠〈りゅう〉の6名で構成。当時、松原と笠は民主党に所属しており、調査は私費で行った。彼らの本気と真剣さが伝わってくる。
1996年夏、中学校用歴史教科書にいわゆる「従軍慰安婦の強制連行」が掲載された。翌1997年2月に、衆参87名の国会議員で、歴史教科書の記述を調査する研究会「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」を設立した(中川昭一)。
冒頭、松原仁〈まつばら・じん〉「サッチャー首相はいかに教育改革を断行したのか 『イギリス病』との戦いから生まれた『1988年の教育改革方』」がよくまとまっている。
1944年教育法では宗教教育に関する規定はあったが学習内容についての規定は全くなかった。その結果、偏向教科書が出回る。左翼が得意とする黒歴史史観で自国を貶(おとし)める記述で溢れていた。彼らは革命の前提条件として黒歴史を必要とするのだ。
教科書が国を滅ぼすことがあり得る事実を我々は知らねばならない。日本も戦後教育によって悪質な洗脳がまかり通ってきた。例えば私の世代(1963年生まれ)だと、「悪質な犯罪はもちろん許されるべきではないが、そうした人々を生み出す社会にも問題があるのではないか?」といった論調に毒されている。永山則夫〈ながやま・のりお〉がいい例だ。進歩的文化人どもは永山を擁護するだけ擁護し持て囃(はや)した。
左翼が行う工作の目的は社会の分断にある。昨今、政治テーマになっているLGBT問題や夫婦別姓問題なども全く同じ手法であり、古くは公害問題から環境問題に至るまで、左翼は社会的弱者に寄り添う風を装いながら、敵と味方に分断する方向へと運動を導く。
書籍自体は寄せ集めの論文集なのでかなり出来が悪い。それでも一読に値する。
2006年、第一次安倍政権で教育基本法は1947年以来の改正が行われた。これを高く評価する声は多い。しかし、である。教科書の内容が全面的に書き改められることはなかった。弱体化しつつあるとはいえ、日教組もなくなったわけではない。竹田恒泰〈たけだ・つねやす〉が発行した『国史教科書』は教科書検定合格まで6年間を要した。
時代と共に左翼の旗色が悪くなると、今度は日本の各界に外国人が侵入し、伝統的な価値観を破壊する方向へとリードしている。例えば弁護士やテレビ局など。日本の最高学府ですら中国人の占める割合が高くなっている。
現在
— 世良公則 (@MseraOfficial) February 10, 2025
「東京大学」外国人留学生は
5231人
7割近い3545人が中国人
大学院に限ると
約1万5000人のうち約3300人
実に5人に1人が中国人
日本の公立大学がこの状態
問題だと思わないのか#Yahooニュースhttps://t.co/hGs1sNS6rJ
私の年代は義務教育期間で「愛国心を忌避する」よう仕向けられていた。私は30代になるまで、「国を愛する人は右翼だ」と本気で思い込んでいた。無知のままだと洗脳は解けない。人間の脳は「当たり前だ」と思っていることを疑うことができないのだ。
日本人の寛容さは受容する姿勢に表れる。クリスマスを祝い、正月は神社に初詣(はつもうで)し、葬式は仏教で行うといった宗教的鷹揚(おうよう)さは海外ではあり得ない。そこに左翼が付け込む隙(すき)があるのだ。
アメリカ、ドイツ、韓国、インドネシア、サウジアラビア、マレーシア、タイ、シンガポールでは共産党が非合法化されており存在しない。それでも左翼は癌細胞のように社会を蝕む。特にアメリカではバイデン政権において社会が崩壊寸前にまで追い込まれた。
もともと、「ロシア革命の実態はユダヤ革命」(馬渕睦夫)であり、「ネオコンのルーツはトロツキスト」(茂木誠)なのだ。新世界秩序もその流れに則っており、彼らが新型コロナ騒動を演出した。

