古本屋の殴り書き

書評と雑文

エックハルト・トールが語るクリシュナムルティの秘密

『ニュー・アース』エックハルト・トール

 ・エックハルト・トールが語るクリシュナムルティの秘密

『「今この瞬間」への旅 スピリチュアルな目覚めへの明確な手引き 新訳版』レナード・ジェイコブソン

クリシュナムルティ

 凄い一言だ。雷に撃たれたような衝撃が走った。三法印諸行無常諸法無我涅槃寂静)をものの見事に一言で言い切っているのである。何気ない言い回しでありながらも、意味するところは恐ろしく深い。私の中で長く響き渡っている「起は是れ法性の起にして、滅は是れ法性の滅なり」(天台智顗〈てんだいちぎ〉『摩訶止観』)の一偈(いちげ)にも通じている。

 ブッダが説いたのは「出離(しゅつり)の道」であった。やはり、出て離れるのが正しいのだ。世俗から、自分自身から、生死(しょうじ)から。