古本屋の殴り書き

書評と雑文

行き過ぎた資本主義の末路を示した幻冬舎・見城徹社長の“実売数晒し”問題

 私が初めて見城徹〈けんじょう・とおる〉を見たのは安倍首相が出演した動画であった。同席していた有本香〈ありもと・かおり〉を「有本」と呼び捨てにしていた。「公(おおやけ)の観念が薄い人物」と見た。公私の区別を弁えない時点で公私を混同しているのは確かだろう。相貌にも異様な何かを感じた。それは単なる美醜ではない。何らかの「傲(おご)り」が貼りついていた。声も肚(はら)から出ていなかった。表情と声を知れば相手のことは大体見当がつく。彼は商人なのだろう。だが、紳商でないのは明らかだ。

 私の知る作家が津原泰水〈つはら・やすみ〉に師事していた。彼は津原作品のファンでもあった。だからといって特に加担するつもりはないが、百田尚樹〈ひゃくた・なおき〉の批判振りを見ていると、どうも見城と似た臭いがする。

 山田玲司の指摘は近代化にまつわる問題そのものだ。明治に始まった義務教育の目的は兵士と工場労働者を作ることだ。

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