古本屋の殴り書き

書評と雑文

父が失踪 半身不随の母と兄・成田悠輔と極貧生活 奨学金で慶応卒業後 三年で上場企業のNo.2:成田修造

 成田悠輔に弟がいるとは知らなかった。街録chは時々見ているが、今までの中で一番面白かった。まず、妙な力みがどこにもない。10代の苦労も「少し強い風が吹いたけど面白かった」と言わんばかりに飄々(ひょうひょう)としていて翳(かげ)りがない。上場企業のナンバー2として肩をそびやかすこともなく恬淡(てんたん)としている。これで32歳というのだから末恐ろしい。しかも、あっさりとそのポストを捨てた模様である。近頃思ったことだが、心を病む人に共通しているのは過去への執着で、傷ついた経験をいつまでも引きずっている。つまり過去が【去らない】のだ。成田修造の魅力はサクサクと過去を去っているところにあるような気がする。