米諜報界は1990年代後半から、アフガニスタンやサウジアラビアなどのイスラム主義者の反米感情を扇動しつつ、裏からテロの手法を伝授して世界各地で大きなテロをやらせて「敵」に仕立て、米国が同盟諸国を率いて長期にテロと戦う自作自演的な「テロ戦争」の世界戦略を展開した。その頂点として2001年に911テロ事件が起きた。
米諜報界はテロ戦争を、敵であるロシアを不安定にしておくための手法としても使った。米傘下のサウジの諜報界やアルカイダが、布教と称してロシア南部のチェチェンやダゲスタンなどイスラム地域に入り込み、ロシアから分離独立してイスラム主義の独立国を作ろうと扇動した。
米諜報界は、ウクライナ戦争を起こした黒幕でもある。米国は、ウクライナ政府を傀儡化して国内露系住民殺しをやらせ、ロシアが邦人保護のためにウクライナ侵攻せざるを得ないように仕向けた。プーチンは、米国の策略にまんまと乗って侵攻してしまった。ヌーランドは当時そう言って驚喜した。
実のところこの戦争は、見かけと正反対に、米欧ウクライナを自滅させ、ロシアを台頭発展させる構図になっていて、2年後の今、それが見事に具現化している。プーチンは2年前、ウクライナに進軍したら自国が台頭発展するとわかった上で進軍した。ヌーランドは黒幕でなくピエロだった。