【5月7日 AFP】国連の特別報告者7人は6日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)でイスラエル軍による女性や少女に対する性的暴行や強制失踪が横行しているとし、「受け入れがたい」と非難した。
特別報告者は声明で、イスラエル軍に拘束された女性や少女を含め、ガザの女性らへの暴力に関する報告が相次いでいると指摘。女性らが強制失踪の被害に遭っているとの国連報告にも言及した。
イスラエルがガザの広範囲で民家を破壊し、住民が仮設テントという「不安定な」環境で暮らさざるを得なくなっていることで、女性らに過重な負担がかかっていると説明。「妊婦も授乳中の女性も劣悪な状況に置かれたままだ。病院は爆撃され、イスラエルの狙撃兵は医療施設へのアクセスを意図的に妨害している」と糾弾した。
ガザでは1日当たり180人以上の女性が痛み止めなしで出産する一方、電気がなく保育器が使えないためこれまでに数百人の新生児が死亡。こうした状況の下、流産も増加しているという。
声明は、イスラエル軍は受精卵が保管されていた「ガザ最大の不妊治療クリニックを破壊」したと指摘。また、推定69万人の女性と少女が生理用品を入手できない状態に置かれているとしている。
スイス・ジュネーブ駐在のイスラエルの国連代表部は声明を受け、「根拠のない疑惑を断固否定する」と述べた。
しかし声明は「イスラエル政府は一貫して、犯罪の疑惑について独立、包括的かつ実効性を伴う調査を行っていない」としている。
特別報告者は国連人権理事会(UN Human Rights Council)に任命された独立の専門家で、報告内容は国連としての見解ではない。