古本屋の殴り書き

書評と雑文

桜沢如一の影響力/『ヨガによる病気の治し方 病気を活用した自己改造法』沖正弘

『ヨガによる健康の秘訣 足の裏から頭の先までの完全健康』沖正弘
菜食主義者は短命

 ・桜沢如一の影響力

ヨガ

 私は、古いヨガの教えを現代的に解明するにあたり、多くの方の著書やその研究を参考にさせていただいた。とくに大浦孝秋、桜沢如一野口晴哉、亀井進の諸先生方には、しばしば質疑し、多忙のところをわずらわせたことを深謝する次第である。(まえがき)

【『ヨガによる病気の治し方 病気を活用した自己改造法』沖正弘〈おき・まさひろ〉(白揚社、1965年)】

 桜沢如一〈さくらざわ・ゆきかず/1893-1966年〉はマクロビオティックの提唱者である。

 まえがきに名前が出てきて驚いた。操体法橋本敬三甲野善紀桜沢如一の名を挙げている。

 それぞれ一級の人物が評価しているのだから無闇に否定することは難しい。私もかつて傾倒しかかったことがある。だが、玄米食を調べることで気づいた。

 玄米が健康によいのであればご飯に煎り糠(ぬか)を振りかければ同じだろう。実際に私はやってみたが、やはり効果は感じられなかった。

歯の構造に適した食べ物/『好きなものを食っても呑んでも一生太らず健康でいられる寝かせ玄米生活』荻野芳隆】

 玄米は不味い。船山馨著『石狩平野』では一升瓶で玄米を撞(つ)く場面が出てくる。確か戦時中のエピソードだったと記憶している。なぜそのようなことをするのか? 不味くて食べにくいからである。

 私は最近、主食を煎り玄米からもち麦ご飯に変えたが、煎りぬかふりかけを常用している。作り方は簡単だ。煎りぬか+かつおのふりかけ+干しエビである。マクロビオティックの考え方だと玄米が陰性で煎り玄米は陽性なので、煎りぬかもたぶん陽性だろう。松原秀樹の「玄米毒」も参照のこと。

 桜沢如一の影響力を思えば、高い気を発する人物であったのだろう。