古本屋の殴り書き

書評と雑文

古閑博丈 の検索結果:

聖なる現実/『つかめないもの』ジョーン・トリフソン

…ョーン・トリフソン:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ナチュラルスピリット、2015年/原書、2012年)以下同】 一度挫けている。「なぜ読めなかったのか?」と驚いたくらいだから、やはり理解には段階があるのだろう。読める段階になれば、読めない段階は理解できない。 先ほど読んだテキストである。私の内側では「ルワンダ大虐殺」というキーワードが吹き荒れる。抵抗の波が起こり、暴力への志向が沸々と煮えたぎる。 それでも尚、ジョーン・トリフソンに襟首をつかまれ身動きがままならない。だが、それ…

聴くという技法/『カシミールの非二元ヨーガ 聴くという技法』ビリー・ドイル

…法』ビリー・ドイル:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ナチュラルスピリット、2017年/原書、2014年)】 眼が集中であるのに対して耳は注意だ。見るのは部分である。そして見ることは、必ず見えないことを含んでいる。前を見れば後ろは見えない。表を見れば裏(陰)は見えない。上を見れば下は見えない。一方、聞くのは全体性である。ここでは最大の臓器である皮膚をも含む。つまり聞くとは、あらゆる振動を感受する営みといえよう。 武術家が気配を感じるのは皮膚感覚である。眼で見てから動くのでは遅すぎ…

気づきはあらゆる現象に先立つ/『カシミールの非二元ヨーガ 聴くという技法』ビリー・ドイル

…法』ビリー・ドイル:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ナチュラルスピリット、2017年/原書、2014年)】 図書館から借りた。身体技法の解説が多いため購入した。札幌の実家で受け取った。7月のことだ。読む本が多くて、購入したことを失念していた。危うくまた買うところだった。 一気に通読した。読みながら体が震えた。感動というのとはちょっと違う。真実を体感しているような反応であった。 エックハルト・トールが説いた「インナーボディとつながるエクササイズ」(『さとりをひらくと人生はシンプル…

気づきとは/『気づきの視点に立ってみたらどうなるんだろう? ダイレクトパスの基本と対話』グレッグ・グッド

…』グレッグ・グッド:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ナチュラルスピリット、2014年)】 「ダイレクトパス」(直接的な道)とはシュリ・アートマナンダ(クリシュナ・メノン、1883-1959)の教えで、「ラマナ・マハルシがみずからの教えを表すのに使った名称とはからずも一致している」(本文)。「ダイレクト」は「漸進的でない」との意。なんとなく頓悟や即身成仏を思わせる。シュリ・アートマナンダについては検索したのだがよくわからない。不明だ。インドの外交官じゃないよね? ま、それは置いて…

悟ると過去が消える/『わかっちゃった人たち 悟りについて普通の7人が語ったこと』サリー・ボンジャース

…リー・ボンジャース:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ブイツーソリューション、2014年)】 フーーーム……(沈黙1分経過)。先日、久方ぶりに帰省し、実家や親類宅で散々昔話に興じてきたところだ。 本格的に振り返ってみよう。42歳の時、『ホテル・ルワンダ』を見た。45歳でレヴェリアン・ルラングァ著『ルワンダ大虐殺 世界で一番悲しい光景を見た青年の手記』を読んだ。私にとっては「中年の危機」そのものだった。1年後(46歳)にクリシュナムルティと出会い、危機は克服した。ほぼ同時期に小野田…

「私」とは単なる景色の一部にすぎない/『すでに目覚めている』ネイサン・ギル

…る』ネイサン・ギル:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ナチュラルスピリット、2015年)以下同】 ノン・デュアリティ(非二元)の経典本と言っておこう。まず、わかりにくい言葉を統一しておきたい。ノン・デュアリティをネオ・アドヴァイタとする向きもあるようだが、非二元=梵我一如=不二一元論との理解でいいように思う。ただし諸法無我が前提である。 トニーとはトニー・パーソンズのこと。白人が書いた悟り本には必ずといってよいほど登場する人物である。『オープン・シークレット』は一度開いたが挫折し…

ジドゥ・クリシュナムルティ(Jiddu Krishnamurti)著作リスト 3

…リー・ボンジャース:古閑博丈訳(ブイツーソリューション、2014年)・『静けさの発見 二元性の葛藤を越えて クリシュナムルティ著述集 第4巻』J・クリシュナムルティ:横山信英、藤仲孝司、内藤晃訳(UNIO、2013年) ・『創造性について 新しい知覚術を求めて』デヴィッド・ボーム:大槻葉子、大野純一監訳、渡辺充監修(コスモス・ライブラリー、2013年)・『愛について、孤独について』J・クリシュナムルティ:中川正生(麗澤大学出版会、2013年)・『クリシュナムルティ その対話的…