古本屋の殴り書き

書評と雑文とChatGPTと

古閑博丈 の検索結果:

我々は概念を通して聴いている/『カシミールの非二元ヨーガ 聴くという技法』ビリー・ドイル

…法』ビリー・ドイル:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ナチュラルスピリット、2017年/原書、2014年)】 前回の記事の続きのテキストを紹介する。 最近知ったブログ「satomi30sの日記」では傾聴について様々な考察がなされていて大いに啓発された。 夫は妻の話に生返事で答え、子供が「ピーマンは嫌いだ!」と言っても母親は耳を貸すことがない。児童は味覚が敏感なためピーマンの毒性を感じているにも関わらず(基本的には苦み=毒)。大人がコーヒーやビールなどの苦みを好むのは解毒作用が働く…

気づきが主体で自我は対象/『ダイレクトパス ユーザーガイド』グレッグ・グッド

…』グレッグ・グッド:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ナチュラルスピリット、2016年/原書、2012年)】 固まった。体と心が。何かを感じるのだが理解ができなかった。「これは凄いぞ」と思いながらも腑に落ちないのだ。誤謬(ごびゅう)が邪魔をしているのだろう。私の中の思い込みが激しく揺さぶられる。テキストを入力してから10分以上が経過しているが、まだ揺れたままだ。「気づきが主体で自我は対象」であることは何となくわかっていた。気づきは「私」に先立ち、「私」を認識している。「私」とは単…

シフトの性質/『わかっちゃった人たち 悟りについて普通の7人が語ったこと』サリー・ボンジャース

…リー・ボンジャース:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ブイツーソリューション、2014年/原書、2008年)以下同】 「目覚めの一撃」関連テキスト。 語り手は1939年生まれの黒人女性。「筏(いかだ)の喩え」そのままである。 私は長年にわたって宗教に関する書籍を読み漁ってきた。宗教は社会の最も奥深いところで集団を集団たらしめる原動力となり、感情をも支えていると考えてきた。信を同じくする者への愛情と、信が異なる者への憎悪が生まれるメカニズムを知りたかったのだ。 鎌倉仏教~キリスト教…

目覚めの一撃/『つかめないもの』ジョーン・トリフソン

…ョーン・トリフソン:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ナチュラルスピリット、2015年/原書、2012年)】 本書を一読すればジョーン・トリフソンが悟っていることに疑問の余地はない。この件(くだり)を読んで痛感したのは、私が「目覚めの一撃」という刺戟(しげき)を待望している事実だった。むしろ、悟りそのものよりも何らかのドラマや衝撃を欲しがっている節すらある。 よくよく考えると、「目覚めの一撃を経験してない」のは毎朝の覚醒も同様だろう。目覚めるたびに「悟りを開く」人はいない(笑)。…

「いつか」という欺瞞/『つかめないもの』ジョーン・トリフソン

…ョーン・トリフソン:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ナチュラルスピリット、2015年/原書、2012年)】 「いつか」という欺瞞(ぎまん)は現実逃避の先延ばしに過ぎない。 いつか、イスラエルとパレスチナが平和に共存する日が訪れることだろう。いや、来ないね。絶対に来ないよ。パレスチナが絶滅するまで戦争と殺戮(さつりく)は続くに違いない。 いつか、日本も自主憲法を持ち、普通の自衛権を保持することができるだろう。ま、無理だな。そんなことを考えているのは一部の保守層だけで、国民の多くは…

今この瞬間の生き生きとした性質/『つかめないもの』ジョーン・トリフソン

…ョーン・トリフソン:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ナチュラルスピリット、2015年/原書、2012年)】 続きを。「生き生きとした感覚、とどまることなく流れている感覚、無根拠性の感覚」――これこそが「法」なのだろう。有り難い現実の不思議を見据えた瞬間に、ありがたいという感謝の念が沸々(ふつふつ)と湧いてくるのだろう。 次の段落は凄い。一切皆苦(いっさいかいく)による不満が渇愛(かつあい)を形成するメカニズムを解き明かしている。ジョーン・トリフソンの縁起論と考えてよかろう。 つ…

今ここにあること/『つかめないもの』ジョーン・トリフソン

…ョーン・トリフソン:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ナチュラルスピリット、2015年/原書、2012年)】 当たり前のことを言っているように聞こえる。「わかりきったことではないか」と反応したくなる。だが違うのだ。我々は、「今にある」ことを見失っている。悩みに苦しむ人は「過去にある」し、希望に燃える人は「未来にある」。 私はといえば、長いテキストを三つに分けて紹介するので、「明日、また書かなきゃな」と今を見失っているのである。 本当に心の底から今この瞬間に感じている感覚を味わい尽…

聖なる現実/『つかめないもの』ジョーン・トリフソン

…ョーン・トリフソン:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ナチュラルスピリット、2015年/原書、2012年)以下同】 一度挫けている。「なぜ読めなかったのか?」と驚いたくらいだから、やはり理解には段階があるのだろう。読める段階になれば、読めない段階は理解できない。 先ほど読んだテキストである。私の内側では「ルワンダ大虐殺」というキーワードが吹き荒れる。抵抗の波が起こり、暴力への志向が沸々と煮えたぎる。 それでも尚、ジョーン・トリフソンに襟首をつかまれ身動きがままならない。だが、それ…

聴くという技法/『カシミールの非二元ヨーガ 聴くという技法』ビリー・ドイル

…法』ビリー・ドイル:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ナチュラルスピリット、2017年/原書、2014年)】 眼が集中であるのに対して耳は注意だ。見るのは部分である。そして見ることは、必ず見えないことを含んでいる。前を見れば後ろは見えない。表を見れば裏(陰)は見えない。上を見れば下は見えない。一方、聞くのは全体性である。ここでは最大の臓器である皮膚をも含む。つまり聞くとは、あらゆる振動を感受する営みといえよう。 武術家が気配を感じるのは皮膚感覚である。眼で見てから動くのでは遅すぎ…

気づきはあらゆる現象に先立つ/『カシミールの非二元ヨーガ 聴くという技法』ビリー・ドイル

…法』ビリー・ドイル:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ナチュラルスピリット、2017年/原書、2014年)】 図書館から借りた。身体技法の解説が多いため購入した。札幌の実家で受け取った。7月のことだ。読む本が多くて、購入したことを失念していた。危うくまた買うところだった。 一気に通読した。読みながら体が震えた。感動というのとはちょっと違う。真実を体感しているような反応であった。 エックハルト・トールが説いた「インナーボディとつながるエクササイズ」(『さとりをひらくと人生はシンプル…

気づきとは/『気づきの視点に立ってみたらどうなるんだろう? ダイレクトパスの基本と対話』グレッグ・グッド

…』グレッグ・グッド:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ナチュラルスピリット、2014年)】 「ダイレクトパス」(直接的な道)とはシュリ・アートマナンダ(クリシュナ・メノン、1883-1959)の教えで、「ラマナ・マハルシがみずからの教えを表すのに使った名称とはからずも一致している」(本文)。「ダイレクト」は「漸進的でない」との意。なんとなく頓悟や即身成仏を思わせる。シュリ・アートマナンダについては検索したのだがよくわからない。不明だ。インドの外交官じゃないよね? ま、それは置いて…

悟ると過去が消える/『わかっちゃった人たち 悟りについて普通の7人が語ったこと』サリー・ボンジャース

…リー・ボンジャース:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ブイツーソリューション、2014年)】 フーーーム……(沈黙1分経過)。先日、久方ぶりに帰省し、実家や親類宅で散々昔話に興じてきたところだ。 本格的に振り返ってみよう。42歳の時、『ホテル・ルワンダ』を見た。45歳でレヴェリアン・ルラングァ著『ルワンダ大虐殺 世界で一番悲しい光景を見た青年の手記』を読んだ。私にとっては「中年の危機」そのものだった。1年後(46歳)にクリシュナムルティと出会い、危機は克服した。ほぼ同時期に小野田…

「私」とは単なる景色の一部にすぎない/『すでに目覚めている』ネイサン・ギル

…る』ネイサン・ギル:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ナチュラルスピリット、2015年)以下同】 ノン・デュアリティ(非二元)の経典本と言っておこう。まず、わかりにくい言葉を統一しておきたい。ノン・デュアリティをネオ・アドヴァイタとする向きもあるようだが、非二元=梵我一如=不二一元論との理解でいいように思う。ただし諸法無我が前提である。 トニーとはトニー・パーソンズのこと。白人が書いた悟り本には必ずといってよいほど登場する人物である。『オープン・シークレット』は一度開いたが挫折し…

ジドゥ・クリシュナムルティ(Jiddu Krishnamurti)著作リスト 3

…リー・ボンジャース:古閑博丈訳(ブイツーソリューション、2014年)・『静けさの発見 二元性の葛藤を越えて クリシュナムルティ著述集 第4巻』J・クリシュナムルティ:横山信英、藤仲孝司、内藤晃訳(UNIO、2013年) ・『創造性について 新しい知覚術を求めて』デヴィッド・ボーム:大槻葉子、大野純一監訳、渡辺充監修(コスモス・ライブラリー、2013年)・『愛について、孤独について』J・クリシュナムルティ:中川正生(麗澤大学出版会、2013年)・『クリシュナムルティ その対話的…