古本屋の殴り書き

書評と雑文

国道358号から精進湖へ

 雨が続いたせいか、道志みちから見た富士山は冠雪が増えていた。

 それにしても、いつ見ても大きい。大きすぎて見失うほどだ。何度も見ているのだが、予想の倍くらいのサイズで登場する。

 今日は夏日だった。ツナギにウインドブレーカーで丁度よかった。本当は以下のコースを目指したのだが途中で迷ってしまった。ま、いつものことだ。何度かGoogleマップを見たのだが、ツーリングマップルとあまりにも表示が違って、道路がつかみにくい。

 散々間違えた挙げ句に、国道358号から精進湖へ抜けることができた。山間(やまあい)の峠道は緑の壁が聳(そび)え立っていた。圧倒的な緑である。ステレオグラム(視線をずらすと3Dの立体画像が浮かんでくるアレだ)かと見紛うほどだ。酔いそうになった。

 風薫る5月である。我が国の風が薫るのは緑と水が豊かなためだろう。陽光は優しく、まだギラギラしてはいなかった。富士山を見上げ、富士山を振り返り、「見よ 富士が後を追う」と何度も呟いた。