古本屋の殴り書き

書評と雑文

中毒性が高い「牡蠣だし醤油」(ヒガシマル醤油)

 私が味噌に目覚めたのは五十を過ぎてからで、自ら「味噌汁王子」を名乗ったのが2016年のこと。爾来(じらい)、味噌に関する関心は高まる一方だ。だが醤油の場合、高揚する何かがなかった。そもそもスーパーなど販売されている商品の種類が少ない。「その内、たまり醤油を試してみるか」程度の興味しかなかった。

 なんとなく醤油を検索していたところ、「牡蠣だし醤油」なる物を知った。「他の醤油は使えなくなりました」との消費者レビューが目を引いた。年が明けて直ぐに、自分へのお年玉のつもりで購入した。

「刺し身に合う」とのレビューがあったのでネギトロに掛けてみた。「!」――言葉を失った。黙々と自家製ネギトロ丼を食べた。

 発酵食品のうま味は滋味として受け止められるのが一般的だが、牡蠣だし醤油は違った。はっきり述べよう。これは、「邪(よこしま)な甘美さ」と言う他ない。「ずるいよ、ずるいよ」と何度も心のうちで呟いた。まったく正直な感想である。

 今日は餃子に使用した。手元が狂って机の上に少しこぼしてしまった。それを拭く前に私は机を舐(な)めてしまった。数年後には牡蠣だし醤油中毒で廃人になっているかもしれない。ソフトドラッグとして扱うのが正しいと思われる。

 尚、レビューによれば、かなり高騰しているようだ。「買い始めた頃は1134円でその後1292円になりましたが今回買おうとしたら1709円になっておりびっくりしました」(値上がりしすぎ…)。公式サイトによれば、400mlが390円となっているのでグラム1円の定価と考えてよかろう。1.8Lで1733円は送料分がお得である。「アサムラサキ かき醤油」は1244円だが、「匂いが気になる」とのレビューがある。

 個人的には味噌・醤油の類は高い物を買うように努めている。発酵食品の場合、「発酵期間」という時間価値を購入しているのである。自分で味噌を作ってみると直ぐにわかることだ。

 というわけで、中毒仲間を募集したい。

ヒガシマル醤油 牡蠣だし醤油をレビュー!口コミ・評判をもとに徹底検証 | mybest
「ねぎとろ」の由来は“ネギ”とマグロの“トロ”ではない!?本当の意味を解説! | クラシル