古本屋の殴り書き

書評と雑文

ワクチン無効が明らかになると「一生続く免疫」から「重症化を防止」に変更/『ワクチン神話捏造の歴史 医療と政治の権威が創った幻想の崩壊』ロマン・ビストリアニク、スザンヌ・ハンフリーズ

『人類と感染症の歴史 未知なる恐怖を超えて』加藤茂孝
『感染症の世界史』石弘之

 ・当初からデータを隠蔽し続けてきたワクチン医療
 ・平凡な医師たちはワクチン被害を知りながら沈黙し続けた
 ・19世紀の欧米は不潔極まりなかった
 ・ワクチン無効が明らかになると「一生続く免疫」から「重症化を防止」に変更
 ・1853年、イングランドでは天然痘ワクチン接種拒否が犯罪となった
 ・ワクチン未接種の不信心者に罰則
 ・ワクチン接種を強制するほど天然痘が流行
 ・感染症対策の基本は衛生、栄養、日光浴

ドキュメンタリー映画『突然死』(Died Suddenly)

必読書リスト その四

 天然痘ワクチンが天然痘を予防できないことが明らかになると、医療従事者たちはワクチンの目的を「一生続く免疫」から「重症化を防止」に変更した。同様の主張は2013年にもなされている。百日咳とインフルエンザのワクチンがこれらの病気を予防しないという事実を正当化するためだった。では、天然痘ワクチンは本当に死亡率を減らし、重症化を防いだのだろうか。
 1844年の天然痘流行時、ワクチン接種者のうち3分の1が天然痘にかかったが軽症だった。しかしそのうち8パーセント前後の者は接種にもかかわらず死亡し、3分の2近くの者は重症になった。

【『ワクチン神話捏造の歴史 医療と政治の権威が創った幻想の崩壊』ロマン・ビストリアニク、スザンヌ・ハンフリーズ:神瞳〈じん・ひとみ〉訳、坪内俊憲〈つぼうち・としのり〉監修(ヒカルランド、2023年)】

 そして複数回のワクチン接種が推奨され、ある時代においては強制されてきた。ワクチンメーカーは濡れ手で粟(あわ)のボロ儲けができる。

「ワクチン神話捏造の歴史」というタイトルに偽りはない。ありとあらゆるワクチンが「感染拡大の原因」となってきた事実をデータを挙げて検証している。結局のところ自然感染によって獲得された免疫が最強であり、ワクチンを導入した時期には既に死亡者が減少している。つまりワクチン接種は文字通り自殺行為なのだ。

 感染症を防いだのは衛生概念であった。産褥熱(さんじょくねつ)の原因が医師の手であった事実を通して、欧米では手洗いの重要性が知られるようになった。院内感染と医原病の嚆矢(こうし)か。

 ワクチン神話という巨大な嘘を見抜くのはとても厄介なことだ。まず、医師が教科書で洗脳されている。彼らは大学で「ワクチンが感染症を克服した」と習うのだ。そこそこ本を読んできた私ですら、「西洋医学が優れているのは外科手術と感染症予防だけ」と思い込んでいた。

 大掛かりなデマを見破るためには一定の時間とカネがかかる。本書は3960円である。422ページあるので読むのも時間を要する。発掘された資料は800点に及ぶ。これを自分で行うことを想像してみよう。まず、英語という言葉の壁がある。次に資料の有効性を見抜く医学的な知識が求められる。そして資料がある場所への交通費も大きな負担になる。3960円は一度のタクシー代で消えるかもしれない。あるいは本書を1ページずつコピーしたとしても4000円を超えてしまうのである。そう考えると安いと私は思う。

 ものの見方を変えるために、はたまた長年にわたる心理的ストレスを解消するために、数万円のセミナーやワークショップに足を運ぶ人は決して少なくない。要は何に価値を見出すかである。

 エセ宗教にハマって数百万円から数千万円もカネを貢ぎ続けている信者がいる。インチキ医療に騙されてワクチンや薬にカネを払い続ける人はどこか違うのだろうか?