古本屋の殴り書き

書評と雑文

感染症対策の基本は衛生、栄養、日光浴/『ワクチン神話捏造の歴史 医療と政治の権威が創った幻想の崩壊』ロマン・ビストリアニク、スザンヌ・ハンフリーズ

『人類と感染症の歴史 未知なる恐怖を超えて』加藤茂孝
『感染症の世界史』石弘之

 ・当初からデータを隠蔽し続けてきたワクチン医療
 ・平凡な医師たちはワクチン被害を知りながら沈黙し続けた
 ・19世紀の欧米は不潔極まりなかった
 ・ワクチン無効が明らかになると「一生続く免疫」から「重症化を防止」に変更
 ・1853年、イングランドでは天然痘ワクチン接種拒否が犯罪となった
 ・ワクチン未接種の不信心者に罰則
 ・ワクチン接種を強制するほど天然痘が流行
 ・感染症対策の基本は衛生、栄養、日光浴

ドキュメンタリー映画『突然死』(Died Suddenly)

必読書リスト その四

 ワクチン接種拒絶の罰則は、貧しい人たちには特に重くのしかかった。ワクチン接種法に定められた罰金を払うことができない人はその金額分、資産が差し押さえられ家具が売り払われた。

【『ワクチン神話捏造の歴史 医療と政治の権威が創った幻想の崩壊』ロマン・ビストリアニク、スザンヌ・ハンフリーズ:神瞳〈じん・ひとみ〉訳、坪内俊憲〈つぼうち・としのり〉監修(ヒカルランド、2023年)以下同】

 現代が150年前に逆行するのも時間の問題か。人々はワクチン行政の指示に唯々諾々と従い、マスクを着用し、不要不急の外出を控え、飲食店は営業時間を制限した。街中にはマスク警察が現れ、マスクをしていない人々を難詰した。ワクチン接種を拒む者は非国民といったムードが立ちこめた。マスクをした児童が運動会で死亡してもさほど問題視されなかった。そして長い間、ワクチン被害とワクチン死が報じられることはなかった。

 ワクチンパスポートを発行して未接種者の移動を禁じようとする動きもあった。こうなると戒厳令さながらである。政府は戦時体制を望んでいるのだろう。国家主導で国民をどうにでもできるのだから。

 レスター市のデモにはイングランドの様々な郡からいろいろな職業の人々がかけつけた。

 後にレスター方式と呼ばれる感染症対策はこのデモがきっかけとなって生まれた。

 デモ行進の責任者は参加者を8万人から10万人と見積もった。ブッチャー・レスター市議会議員は管理者をつとめ、念入りに考えたスピーチで以下のように人々を称えた。

 デモに参加した何千人もの人々は、その模範的な行動によって、条例の廃止を達成するために用いるのは公正で法にのっとった手段のみであることを示した。

 彼は聴衆に語り掛けた。

 ここにいる人の多くは条例によって苦しんだ人々である。そして要求していることはただ、自分と子どもたちに選択の自由が与えられることである。彼らの人生の目的はある特定の病気にかからないこではない。【ますます多くの人が次のような意見を持つようになっている。天然痘やその他の感染症を駆逐するためにはたくさんの水で清潔を保つこと、良い食べ物を食べること、陽の光を浴びて換気のよい住宅に住むこと、自治体が道路を清潔に保ち排水ができるようにすることが重要だと】。これらの項目が達成されたなら、天然痘や類似の病気を恐れる必要は全くない。ワクチン接種も議会が制定する法律も人々を救うことはできない

 群衆は歓声を上げた。

 感染症対策の基本は衛生(手洗い、入浴)、栄養、日光浴である。レスター市は下水道を完備し、換気を促し、遂に天然痘を撲滅した。ワクチンは全く関係がなかった。むしろ、他の地域のデータ(感染者数、死亡者数)を見れば、ワクチンが感染を促進した事実が浮かび上がる。

 新聞・テレビは災害が起こると欣喜雀躍する。数字を稼げるためだ。悲惨な事実こそがメディアの大好物というわけだ。無論、政治もまた災害を好むことだろう。予算を増額し、様々な対策を講じることができる。場合によっては甘い汁にありつくことも可能だろう。

「“コロナ予算”は、新型コロナの流行が本格化した令和2年度だけで、総額77兆円。国民1人あたり、61万円という計算になります」(同ページ)。

「参考資料の『集団接種単価とコールセンター単価』を見て唖然としました。接種を担った医師の時給が書いてあるのですが、最小は3404円、平均で1万8884円。ところが、最大で17万9800円との記述があるのです。意見書も《一部、著しく高額になっている自治体もある》と指摘しています」(ワクチン接種医師「時給18万円」の衝撃…財務省資料でわかった「コロナで病院が大儲け」のカラクリ | Smart FLASH

「ワクチン接種会場のお仕事 医師『日給10万円』、看護師『時給2000円』は高いか安いか」(デイリー新潮)、「尾身理事長の医療法人がコロナ補助金などで311億円以上の収益増、有価証券運用は130億円も増加」(AERA dot.)といった見出しもある。

 ワクチン行政とは、政府が医師を手懐(なず)け、言いなりにさせる仕組みの構築であった。政治家も医師も完全にカネで動くようになってしまった。国士は疎(おろ)か義を重んじる誠の人物すらいない。国際金融資本はマネー教の布教を終えたといっても過言ではない。

 新しい太陽の登場を待つ今、闇がより一層深まることは避けようがないだろう。