グルテン過敏症ではなく乳化剤過敏症の可能性がある／DNA再起動　人生を変える最高の食事法』シャロン・モアレム

・『ファストフードが世界を食いつくす』エリック・シュローサー
・『「食べもの神話」の落とし穴　巷にはびこるフードファディズム』高橋久仁子
・『給食で死ぬ!!　いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平
・『伝統食の復権　栄養素信仰の呪縛を解く』島田彰夫
・『うつ消しごはん　タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる！』藤川徳美
・『コレステロール値が高いほうがずっと長生きできる』浜崎智仁
・『小麦は食べるな！』ウイリアム・デイビス
・『シリコンバレー式　自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー
・『世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術』アイザック・H・ジョーンズ
・『医者が教える食事術　最強の教科書　20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二
・『医者が教える食事術2　実践バイブル　20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
・『免疫力が10割　腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず』小林弘幸、玉谷卓也監修

　・目次
　・遺伝子に適した食餌
　・グルテン過敏症ではなく乳化剤過敏症の可能性がある

・『迷惑な進化　病気の遺伝子はどこから来たのか』シャロン・モアレム、ジョナサン・プリンス　2007年

・身体革命
・必読書リスト　その二

　では、セリアック病になることに利点などあるのだろうか？
　じつは、ある仮説が提唱されている。西ヨーロッパ（※セリアック病の遺伝的なホットスポットとされている）の人々は、この病気の合併症の1つである貧血に【になるために】セリアック病にかかる可能性が高いというのだ。一見すると、つじつまが合わないように思えるかもしれない。だが今では、ごくまれな例外を除き、あらゆる病原菌はあなたの体の鉄分を狙っていることが明確に判明している。この金属こそ、そもそも真菌性や細菌性の感染症にかかる理由なのだ。鉄分が体にあればあるほど、病原微生物の目には、おいしそうに映る。そのため、体が鉄分をうまく隠せれば隠せるほど、感染症にうまく立ち向かうことができるわけだ。
【『DNA再起動　人生を変える最高の食事法』シャロン・モアレム：中里京子〈なかざと・きょうこ〉訳（ダイヤモンド社、2020年／原書、2016年）以下同】

　これは最近、武田邦彦が動画で語っていた。「女性に貧血が多いのは感染症にならないためだ」と。ものの本で読んだが、どこかの島に住む人々はソラマメ中毒で100％死ぬという話があった。地産地消を単なる政治的スローガンにしてはなるまい。その地域で伝統的に食べられてきたものを摂取するのが正しい。

　きょうのどこかの時点で、あなたが乳化剤を含む食べ物を口にした可能性はとても高い。乳化剤は洗剤のような特性を持つ一連の化学物質だ――石鹸のしゃれた呼び名だと思えばいい。食用以外の用途で使われる乳化剤のまたの名は、界面活性剤である。
　乳化剤は、膨大な数の加工食品に使われている。材料を安定させ分離を防いでくれるので、食品の常温保存が可能になるのだ。実際、乳化剤の地雷を踏まずにスーパーマーケットの中央通路を通り抜けるのはほぼ不可能だ。

　吃驚（びっくり）仰天したので本書を教科書本から必読書に変更した。Wikipediaにも「界面活性剤と同義であるが、食品用として使用される場合は界面活性剤と表記されることは稀である」と書かれている。

　乳化剤を添加する理由は、パン生地作りとパン焼き工程をスピードアップさせるためだ。スーパーマーケットにとっては時間と費用の節約になる。乳化剤を使えば、たとえ冷凍の生地を数分前に焼いただけであっても、“焼き立て”の見掛けと匂いを与えることができるのだ。これはパンについてだけのことではない。今や、何百というほかの加工食品にも乳化剤が添加されている。わたしたちは、乳化剤という名の石鹸の海で溺れかけているのだ。

　では、メーカー側の言い分に耳を傾けてみよう。

・理研ビタミン株式会社
・山崎製パン
・カルビー

　リケンの粉末出汁も買わないことにしたよ、私は。国の安全基準は変わる。水俣病以前は有機水銀の海洋放出は認められいたし、イタイイタイ病以前のカドミウムも同様だ。そもそも食品加工会社が国民の健康に責任を持つとは到底思えない。

　マーガリンに含まれるトランス脂肪酸が長らく見過ごされてきた事実も忘れてはなるまい。

　わたしは、現在増加傾向にあるグルテン過敏症は、グルテンそのものとはまったく関係がなく、乳化剤によって引き起こされていると確信している。グルテンに関してはいるがセリアック病と小麦アレルギーの検査では陰性になるという腸の問題を抱える人は、劇的に増えつづけている。間違いなく、過去50年のあいだに何かが変わったはずだ。

　衝撃の指摘だ。シャロン・モアレムは高校生の時に科学研究のテーマとして自分の体調不良を掘り下げ、その原因を食品添加物に見出した。いやはや立派なものだ。