古本屋の殴り書き

書評と雑文

発想の転換/『最速で身につく 最新ミッドフットランメソッド』高岡尚司、金城みどり

ランニング

 ・踵着地が膝を壊す
 ・発想の転換

「あなたは体のどこを使って走っていますか?」と質問されたら、ほとんどのランナーが「脚」と答えるはずです。この意識こそ、ケガを引き起こす原因のひとつといえます。なぜならランニングとは、脚だけで行う運動ではないからです。
 そもそもランニングとは、「重力による垂直方向への落下の力を、滞りなく進行方向への推進力に変換する運動」のこと。つまり、胴体を含めた体と重力との関係がもたらしてくれるものなのです。

【『最速で身につく 最新ミッドフットランメソッド』高岡尚司〈たかおか・しょうじ〉、金城〈かねしろ〉みどり(主婦の友社、2018年)以下同】

 発想を転換すると異なる世界が開ける。私は既に膝痛でランニングはあきらめたが歩行にも活かせると思う。脚力と考えてしまえば脚しか見えない。ところが「垂直に落下する力を水平方向へ転換する」と知れば、地球-身体(しんたい)にまで関係性が拡張する。ここでは脚力よりも体重を意識するようになる。詮ずるところ運動とは体重移動の異名である。

 私はフォアフット走法を行っていたので、ミッドフットは試してみたこともない。体重が重い人には向いてないような気がする。

 既に何度も書いてきた通り、縄跳びは誰もがフォアフットで行う。足裏全体で着地しても膝にかかる衝撃は大きい。ミッドフット走法が足裏のアーチ構造を活用できるかどうかも疑問が残る。裸足でもミッドフット走法が可能であれば正しい走法と考えてよかろう。