古本屋の殴り書き

書評と雑文

引用文献一覧/『アラブ、祈りとしての文学』岡真理

『「パレスチナが見たい」』森沢典子
『パレスチナ 新版』広河隆一
『新版 リウスのパレスチナ問題入門 さまよえるユダヤ人から血まよえるユダヤ人へ』エドワルド・デル・リウス
『ホロコースト産業 同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち』ノーマン・G・フィンケルスタイン

 ・自爆せざるを得ないパレスチナの情況
 ・9.11テロ以降パレスチナ人の死者数が増大
 ・愛するもののことを忘れて、自分のことしか考えなくなったとき、人は自ら敗れ去る
 ・物語の再現性と一回性
 ・引用文献一覧

『ストーリーが世界を滅ぼす 物語があなたの脳を操作する』ジョナサン・ゴットシャル
『悲しみの秘義』若松英輔

必読書リスト その一


『アラブ、祈りとしての文学』岡真理(みすず書房、2008年/新装版、2015年)の引用文献一覧。かつて存在した公式ブログを見て、岡真理が左翼であることを知った。積極的な政治行動から真正の活動家の姿が窺えた。基本的に左翼は反米で、そして反イスラエルで、更に反日本というスタンスである。階級闘争という思考の枠組みから外れることがない彼らは単純な図式を好む。

 それでも尚、本書から得た感慨は深く、よき書物の道標(みちしるべ)となっていることは確かだ。石原吉郎を教えてくれたのも本書であった。心からの感謝を込めて引用文献の一覧を示しておく。


文学は何ができるかサルトル平井啓之訳、弘文堂、1966年
『良心の領界』スーザン・ソンタグ、木幡和枝訳、NTT出版、2004年
『アウシュヴィッツは終わらない あるイタリア人生存者の考察』プリーモ・レーヴィ、竹山博英訳、朝日選書、1980年
イメージ、それでもなお アウシュヴィッツからもぎ取られた四枚の写真』ジョルジュ・ディディ・ユベルマン、橋下一径訳、平凡社、2006年
わたしを離さないでカズオ・イシグロ土屋政雄訳、早川書房、2006年
『シャヒード、100の命 パレスチナで生きて死ぬこと』アーディラ・ラーイディ、岡真理・岸田直子・中野真紀訳、インパクト出版会、2003年
滅ぼされたユダヤの民の歌』I・カツェネルソン、飛鳥井雅友・細見和之訳、みすず書房、1999年
『望郷と海』石原吉郎、みすず書房、2012年
ベンヤミン・コレクションIヴァルター・ベンヤミン、浅井健二郎訳、ちくま学芸文庫、1995年
現代アラブ小説全集8』黒田寿郎・高井清仁訳、河出書房新社、1985年
言葉を撮る デリダ/映画/自伝ジャック・デリダ、サファー・ファティ、
短篇コレクション I河出書房新社、2010年
『集英社ギャラリー〔世界の文学〕20 中国・アジア・アフリカ』集英社、1991年
地に呪われたる者フランツ・ファノン、鈴木道彦・浦野衣子訳、みすず書房、1996年
ナギーブ・マフフーズ短編集』塙治夫訳、近代文芸社、2004年
ハラーム〔禁忌〕』ユーセフ・イドリース、奴田原睦明訳、第三書館、1984
物語のディスクール 方法論の試み』ジェラール・ジュネット、花輪光・和泉涼一訳、書肆風の薔薇、1985年
ネジュマ』カテブ・ヤシーヌ、島田尚一訳、現代企画室、1994年
恋する虜 パレスチナへの旅ジャン・ジュネ鵜飼哲・海老坂武訳、人文書院、1994年
0度の女 死刑囚フィルダス』ナワル・エル・サーダウィ、鳥居千代子訳、三一書房、1987年
サバルタンは語ることができるか』G・C・スピヴァク、上村忠男訳、みすず書房、1998年
ハーレムの少女ファティマ モロッコの古都フェズに生まれて』ファティマ・メルニーシー、ラトクリフ川政祥子訳、未來社、1998年
アラブ人でもイスラエル人でもなく 平和の架け橋となったパレスチナ人牧師』リア・アブ・エル=アサール、輿石勇訳、聖公会出版、2004年
悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』エミール・ハビービー、山本薫訳、作品社、2006年
『ハイファに戻って』ガッサーン・カナファーニー、黒田寿郎・奴田原睦明訳、河出書房新社、1978年