古本屋の殴り書き

書評と雑文

道志みちから見える富士山

 道志みちはよく走るのだが、山中湖まで行ったことは数回ほど。いつもは道坂峠を右折し、都留方面に抜ける道を選んでいる。道の駅を越えると、ほぼ直進で変化に乏しいためだ。ただし、帰路は必ずこの道を通る。

 今日、道志みちから初めて富士山を見た。家を出る前にツイッターで確認したところ、「雲に隠れている」との情報があった。実にタイミングがよかった。関東は気温が22℃ほどまで上昇したが、道志みち終盤にある温度計は14℃で寒かった。

 冠雪がギラギラと輝いて、春の光をはね返していた。「溶かせるものなら溶かしてみよ」と言わんばかりの姿であった。

 巧く撮れていないが、あの輝きを私が忘れることはないだろう。

 河口湖の奥にある峠道を目指したのだが、ゴールデンウイークとあってクルマが多かったので138号から都留市へ向かった。逆方向へ走るのは初めてのことだ。恐る恐るバックミラーに目をやると、「どうだ!」と言わんばかりの芙蓉が映っていた。

 私はかつて富士山の噴火を恐れて、ゆくゆくは西側に引っ越そうかと考えたこともあった。しかし、この霊峰が噴火して無惨な形となるのであれば、「一緒に死んでもいいかな」と思い始めている。