古本屋の殴り書き

書評と雑文とChatGPTと

内部の動揺を超越するチャンス/『サレンダー 自分を明け渡し、人生の流れに身を任せる』マイケル・A・シンガー

 ・無為自然
 ・内部の動揺を超越するチャンス
 ・眉間のツボに向かって内部を上昇していく絶え間ないエネルギーの流れ
 ・自分自身を手放す

『なまけ者のさとり方』タデウス・ゴラス
『「今この瞬間」への旅 スピリチュアルな目覚めへの明確な手引き 新訳版』レナード・ジェイコブソン

悟りとは

 だが、内部の「怯える人間」から逃れるために培ってきた自制心だけはそうではなかった。恐怖の背後から、鋼のような指令が聞こえてきた。「内部の動揺を超越する、このチャンスを逃してはならぬ」。私は挑戦するつもりで、目を固く閉じ、深呼吸した。出来事の真っ只中で、安らぎの状態を求めたのだ。

【『サレンダー 自分を明け渡し、人生の流れに身を任せる』マイケル・A・シンガー:菅靖彦〈すが・やすひこ〉、伊藤由里訳〈いとう・ゆかり〉訳(風雲舎、2016年/原書、2015年)】

 メキシコを放浪していた際に、突然、馬のいななき声が聞こえた。直ぐさま追い剥(は)ぎであると直感した。だが、マイケル・A・シンガーは逃げることを拒否して瞑想を続けた。人生は一瞬のドラマで構成されている。わずかな心の揺れを自覚できない人はドラマを見失う。人生の貧しさ、乏しさ、薄っぺらさを支えているのは自覚を欠いた鈍感さなのだろう。

 人生の選択とは、あれを買うかこれを買うかを選ぶだけではないのだ。自分の内側の弱さと強さを選ぶ場面は意外と多い。選択の誤りと正しさが自分自身の彩りを知らず知らずのうちに決めてゆくのだろう。後悔の多い人生は、誤った選択と、誤りを正してこなかった実績の裏返しだ。見る人が見れば、「クズの臭い」は直ぐわかるものだ。

 内なる勇気は発揮するごとに足腰が鍛えられ、いつでもサッと発動できるようになる。跳躍できるようになればしめたものだ。

 実際は追い剥ぎではなく近くの牧場で働く人たちだった。それは劇的な出会いのプロローグであった。勇気が人生の新しい扉を開いた瞬間でもあった。