古本屋の殴り書き

書評と雑文

人間は左側に重心をおく動物/『身体構造力 日本人のからだと思考の関係論』伊東義晃

『人生、ゆるむが勝ち』高岡英夫
『究極の身体(からだ)』高岡英夫
『体の知性を取り戻す』尹雄大
・『筋力を超えた「張力」で動く! エネルギーは身体の「すきま」を流れる!動きの本質力向上メソッド』JIDAI
・『動きの天才になる』JIDAI
『生命力を高める身体操作術 古武術の達人が初めて教える神技のすべて』河野智聖
『月刊「秘伝」特別編集 天才・伊藤昇と伊藤式胴体トレーニング「胴体力」入門』月刊「秘伝」編集部編
・『足の裏は語る』平沢彌一郎
『常歩(なみあし)式スポーツ上達法』常歩研究会編、小田伸午、木寺英史、小山田良治、河原敏男、森田英二
『スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと』小田伸午
『トップアスリートに伝授した 勝利を呼び込む身体感覚の磨きかた』小山田良治、小田伸午

 ・骨格の構造は思考から性格形成にまで影響を及ぼす
 ・人間は左側に重心をおく動物

『足の裏は語る』平澤彌一郎

身体革命
必読書リスト その二

 陸上競技オートバイレース、競輪。これらトラックを周回するという競技は全て左回りの設定になっています。それはなぜか。人間は左回りが得意だからです。
 これは右利き左利きはあまり関係がありません。左回りの方が記録が伸びやすいのです。
 みなさんも自転車に乗ったりするでしょう。右折よりも左折の方がしやすいと思いませんか。人間は左側に重心軸をおく方が動きやすいのです。
 これはなにもトラック競技をしている時だけではなくて、普段何気なく立っている時でもそうです。歩いている時でも、座っている時でもそうです。人は左側に重心軸をおくようにできているのです。見た目には分かりませんが、普通の人は立ち姿勢の時に、重心的には「右足を前に出して休め」の姿勢をとっています。
 重心を左足におき、そして右足は少し浮かせています。利き足を浮かせて自由度を高めていた方が、万が一、バランスを崩した際に体を捌きやすくなるからです。股関節は重心側(左)の方が骨頭が内旋して内側に入り込む傾向があります。親指側に重心がかかるからです。結果として、先ほど説明した「仮性短縮」になりやすい。一方で非重心側(右)は股関節が外旋してつま先は外側に開く傾向があります。外股気味になるということですね。右足は外側に重心が乗りやすいので靴底の外側が減りやすい傾向があります。一般的に重心側(左)は筋肉が引き締まっていく傾向にあります。一方で非重心側(右)は浮腫みが起きやすくなります。それは外側重心であるためにふくらはぎの伸縮が行われにくいというのが理由として挙げられます。右の靴の方がきつく感じることはありませんか。ひどい人は1サイズ変わる場合もあると聞きます。利き足だから成長がよくて右足が大きくなったという話をたまに聞きますが、ほとんどの場合、それは浮腫みのせいなのです。

【『身体構造力 日本人のからだと思考の関係論』伊東義晃〈いとう・よしあき〉(幻冬舎、2020年)】

 木寺英史〈きでら・えいし〉が同様の指摘をしている。

左重心の法則/『間違いだらけのウォーキング 歩き方を変えれば痛みがとれる』木寺英史

 不思議な左右差があることに改めて気づかされる。どちらの本に書いてあったか失念したが、王貞治一本足打法イチロー振り子打法は左打者であればこそ踏ん張れるという。右打者で投手側の脚を高く上げる選手は殆どいない。

 平沢彌一郎〈ひらさわ・やいちろう〉によれば男性の一物のポジションも左下が正しいという(『足の裏は語る』)。

 バイクや自転車に乗っていると右側の方が曲がりにくいことは直ぐに気づく。