・『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
・現代人は「座りすぎ」で死ぬ
・空軍パイロットの身体的ダメージ
・クッション性の高いシューズが足のバイオメカニクスを損なう
座りっきりによる身体への真の影響は、軍のエリート航空パイロットたちを診ることでさらに明らかになった。彼らは十分な訓練を受けた軍隊のアスリートであったが、身体の状態は目も当てられなかった。パイロットたちが過ごす典型的な1日を考えてほしい。パイロットたちは、座ることによる強いストレス状況に直面することに加えて、途方もない重力負荷を受け、上下に振られ、重いヘルメットをかぶる。そして、イスは肩を人間工学的に悪い前方に丸まった姿勢にさせる。ジムのクライアントと同様に、パイロットたちには長時間の座りっきりに伴う見慣れた問題のすべてがみられた。また、頸部椎間板ヘルニア、しびれ感、刺痛、慢性的な背部痛の増大も示された。パイロットが飛行機から這い出てきて、他の生活にかかろうとすると、痛みで苦しむだけでなく、可動性とパフォーマンスにも影響が出ていることがわかる。
人体はかなりの酷使に耐えるように設計されているが、物事にはなんでも限界がある。そして、私たちのイス中心の文化がその限界を超えさせるたびに、とても重要な疑問が沸(ママ)き上がる……。【『ケリー・スターレット式 「座りすぎ」ケア完全マニュアル 姿勢・バイオメカニクス・メンテナンスで健康を守る』ケリー・スターレット、ジュリエット・スターレット、グレン・コードーザ:医道の日本社編集部訳(医道の日本社、2019年)】
バイクの姿勢はどうだろうか? 長時間運転していると腰と背中への負担が大きい。ドロップハンドルのロードバイクと大差がないと考える人が多いだろうが実は大きく異なる。自転車の場合、意外と姿勢を変えることが可能で、ハンドルの持ち手も頻繁に移動できる。慣れてくると腕よりも脚に荷重できるようになり、腕への負担は軽減する。但し、ケツのダメージがでかい。1年程度ではサドルに対応し得るケツ筋はつかない。私のように自転車EDになる人も多いことだろう。
本気でパイロットの身体的ダメージを軽減するなら、立位で乗れるようにすればよい。あるいはリカンベントスタイルにするとか。
椅子に坐っている時は「上半身が立っている」という意識が大切である。骨盤の下を足裏に見立てて、背筋を真っ直ぐ伸ばすよりも骨盤を起こす意識を持つとよい。頭の上に少し重い物を載せてみれば背骨の正しい位置がつかめる。アフリカ人女性が水瓶(みずがめ)を運ぶ様を思い浮かべよ。
本書で絶賛されていたこともあり、3年振りにスタンディングデスクを復活した。会議用テーブルの上に折り畳みテーブルを載せた代物だが作業に支障はない。amazonだと奥行き60cmのものが多いが、23インチのモニターだともう少し距離が欲しい。一応、70cmのものを紹介しておく。