・『わたしは「いま、この瞬間」を大切に生きます』エックハルト・トール
・『さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる』エックハルト・トール
・思考と感情を観察する
・『世界でいちばん古くて大切なスピリチュアルの教え』エックハルト・トール
・『ニュー・アース』エックハルト・トール
・『「今この瞬間」への旅 スピリチュアルな目覚めへの明確な手引き 新訳版』レナード・ジェイコブソン
・悟りとは
好き嫌いを言う、判断を下す、解釈するなどの思考活動を、「ほんとうの自分」とみなしているほど、感情エネルギーの消費量は、大きくなります。これは、どれだけ自分が「思考の見張り」をおこたり、「いま、この瞬間」を生きていないかを知る目安にもなります。自分の感情に鈍感な人や、感情を無視している人は、それを病気のかたちで実現してしまい、感情をからだのレベルで自覚するはめになります。(中略)
思考と感情のあいだに、明らかにギャップがあるならば、思考が「ウソ」で、感情が「ほんもの」です。感情は、その人の人間性を表わす真実だというわけではありませんが、それでも、その時点での「本音」であることは確かだからです。(中略)くれぐれも、感情におどらされないよう、注意してください。感情は、あるがままにほうっておきましょう。そうすれば、感情そのものになってしまうことはなく、「感情を観察する人」になれるのです。これができるようになると、あなたの内面の無意識なものは、すべて意識の光に照らされ、明るみに出るようになることでしょう。
「いま、この瞬間」、わたしの心で、なにが起こっているだろうか?
このように、自問する習慣をつけましょう。この質問が、あなたを、適切な方向へと導いてくれるはずです。ただし、内面で起こっていることを、あれこれ分析しないでください。観察するだけです。感情に、意識を集中させるのです。感情のエネルギーを、感じましょう。もしも、感情が見つからないのなら、からだの内側の、もっと深いところを意識しましょう。そこが、「大いなる存在」への入口なのです。【『人生が楽になる 超シンプルなさとり方』エックハルト・トール:飯田史彦〈いいだ・ふみひこ〉責任翻訳(徳間5次元文庫、2007年/原書、2001年)】
平仮名と読点が多すぎて読みにくい――などと好き嫌いを言ってはいけないとの教えである(笑)。飯田史彦が嫌いだ――だから、それを言うなって言ってんだよ!
「ただ観察する」というのがミソである。吟味も評価もせずに観察する。見る。距離がなければ見ることはできない。つまり、「見た瞬間」に離れているのである。視点の高度をどんどん上げていって思考や感情が点に見えるくらいまで行きたいものだ。
感情を無視して病気になる様相は、ガボール・マテ著『身体が「ノー」と言うとき 抑圧された感情の代価』が詳しい。心で抱え切れなくなった負のエネルギーが体の症状となって現れるのだ。「病は気から」という言葉は恐ろしいほどの深さを持っている。
「思考と感情の間にギャップがある人がいる」ことを初めて知った。私は生まれてから一度も経験したことがない。果断を常としているため迷うことが殆どない。その代わり直観(ヒューリスティクス)を瞬間的にかなり吟味する。感覚的にはレーザー墨出し器で直角を確認する作業に似ている。思考と感情の乖離(かいり)は曖昧な基準によるものだろう。あるいは感情が弱すぎるのだろう。
「起は是れ法性の起にして、滅は是れ法性の滅なり」(『摩訶止観』天台智顗)である。起滅の現象の底に法が流れ通う。
「大いなる存在」とは法である。私はそれを宇宙意識と名づけた。
