古本屋の殴り書き

書評と雑文

〈あなた〉は〈私〉であり、〈私〉は〈あなた〉なのだ/『“それ”は在る ある御方と探求者の対話』ヘルメス・J・シャンブ

『気づきの視点に立ってみたらどうなるんだろう? ダイレクトパスの基本と対話』グレッグ・グッド
『さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる』エックハルト・トール
『ニュー・アース』エックハルト・トール
『覚醒の炎 プンジャジの教え』デーヴィッド・ゴッドマン編
『誰がかまうもんか?! ラメッシ・バルセカールのユニークな教え』ブレイン・バルドー編

 ・偶然か、必然か
 ・〈あなた〉は〈私〉であり、〈私〉は〈あなた〉なのだ
 ・ただ〈在る〉

「ルールに縛られない生き方」ヘルメス・J・シャンブ

悟りとは
必読書リスト その五

「実が熟すまでは、
 実が落ちることがないように、
 問いとの出会いが、その時期を知らせる。
〈私〉とは誰か?
 いったい何なのか?
 もし問いに出会ったのなら、実が熟す時である。
 実が落ちるのは、もうまもなくだ。
〈私〉がここに来たように」
 探求者は尋ねた。
「師よ、なぜあなたは、私に向かって〈私〉と呼ぶのですか?
 どうか、私のことを弟子と呼んで頂けませんか?」
「なぜなら、あなたとは事実〈私〉そのものだからだ。
〈あなた〉は〈私〉であり、〈私〉は〈あなた〉なのだ。
 あなたを見て、〈私ではない〉とどうして言えるだろう。
 どうして、あたかも〈私〉以外の何かが存在でもするように、
〈あなた〉として呼ぶことができるだろう。
 目に見えるものがどのような形態をしているとしても、
 全ては〈私〉なのだ。
〈あなた〉は事実〈私〉なのだ」

【『“それ”は在る ある御方と探求者の対話』ヘルメス・J・シャンブ(ナチュラルスピリット、2013年)以下同】

 思考が邪魔をする。理窟に当てはめると行き詰まる。

 どこから湧いてくる言葉なのか? 不思議である。誰もいない山奥の泉から青い水が出ているのを偶然見つけたような印象がある。

「全ては、〈私〉なのだから。
 あなたのことを〈私〉と呼ぶが、
 あなただけが〈私〉なのではない。
〈私〉とは一つしかないのである。
〈心〉は世界に一つしか存在していない。
 したがって、【あなた】という〈私〉が考えることは、
 全ての〈私〉が考えることなのである」

 フム。そうなのか。

 というわけで、ゴキブリを殺すのをやめた。数ヶ月前からチャバネゴキブリが台所周りに出没し始めた。私は片っ端から素手で潰した。迷ったり、躊躇(ちゅうちょ)することはない。既に条件反射の領域に達している。

 だが、〈あなた〉が〈私〉であれば、ゴキブリも〈私〉なのかもしれない。そんな風に思えた。

 コバエと蚊にも憐(あわれ)れみを施すべきか。

 関係性とは同一性なのだろうか? わからない。思議し難し。

 ヘルメス・J・シャンブは悟り界のジャン・ボードリヤールか。

 まだ読了していないが必読書としておく。