・『苦しみをなくすこと 役立つ初期仏教法話3』アルボムッレ・スマナサーラ
・『ブッダが説いたこと』ワールポラ・ラーフラ
・『自分を許せば、ラクになる。』草薙龍瞬
・『反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』草薙龍瞬
・人間は苦をこじらせる
・ネガティビティバイアス
・苦と恐怖
・『あなたという習慣を断つ 脳科学が教える新しい自分になる方法』ジョー・ディスペンザ
・『ザ・メンタルモデル 痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー』由佐美加子、天外伺朗
・『「私」という夢から覚めて、わたしを生きる 非二元・悟りと癒やしをめぐるストーリー』中野真作
・『悟り系で行こう 「私」が終わる時、「世界」が現れる』那智タケシ
・『わかっちゃった人たち 悟りについて普通の7人が語ったこと』サリー・ボンジャース
・『すでに目覚めている』ネイサン・ギル
・『今、永遠であること』フランシス・ルシール
・『プレゼンス 第1巻 安らぎと幸福の技術』ルパート・スパイラ
・『子供たちとの対話 考えてごらん』J・クリシュナムルティ
人体に「苦」が標準で備わったのは、人類の生存に有利だったからです。
【『無(最高の状態)』鈴木祐〈すずき・ゆう〉(クロスメディア・パブリッシング、2021年)以下同】
「苦」を設定として捉える視点が斬新だ。ここから、「意識は苦を認識するために生まれた」と考えることも可能だろう。既に何度も書いてきた通り、私の基本的な考え方は人間原理から意識原理に傾きつつある。
脅威に満ちた環境を生き抜くためには、できるだけ臆病になるのが最適解です。
あの怪しい影は猛獣ではないか? あの狼煙は敵の襲撃を知らせているのではないか? 仲間が冷たいのは裏切りの兆候ではないか?
微かな異変を見逃さなかった者ほど、後世に遺伝子を残(ママ)せたのは間違いありません。原始の環境においては、ネガティブな情報を敏感に察し、その記憶を長く保てた者ほど“適応”でした。
他方でポジティブな情報には、ネガティブな情報ほど重みをつける理由がありません。
苦と恐怖はセットになっている。コクチバスと出会ったグッピーの中で「大胆なタイプ」は全滅する(『病気はなぜ、あるのか 進化医学による新しい理解』ランドルフ・M・ネシー&ジョージ・C・ウィリアムズ)。また、生まれつき痛みを感じない人のほとんどは30歳までに死ぬ(同書)。
精神疾患だと躁病は少ない。憂鬱や不安に根差す疾患が多いのも、生存率を上げるための作用なのだろう。
代表的な例はフェイクニュースで、マサチューセッツ工科大学の研究によれば、科学的に正確な事実は1000人以上には広まらないのに、恐怖を煽るような偽のニュースは10万人を超えて拡散されます。まさに原始の心が過敏に反応する現象です。
ヒトのコミュニティにおいて、噂話にはフリーライダーを排除する機能があると考えられている。フェイクニュースや都市伝説、はたまた嘘やデタラメに乗せられやすいのも、種全体にとっては優位に働くのだろう。
20世紀までは様々なテーマが人道や道徳的な側面から論じられてきたが、21世紀は進化に伴う合目的性や、脳から群れに至るまでの化学反応として捉えるようになりつつある。
神(宇宙意識)が描いたシナリオは、ひょっとするとまだ始まったばかりなのかもしれない。
